第199話京子、スランプに陥る
なんだか身体が重い。朝からそうだ。女の子の日は既に終わった。
「こりゃあかん、オーバーワークや」
オッサンにも見抜けなかったようだ。私は昼食を食べた後、しばらく部活を休む事を顧問に伝えた。
「何!稽古を休む‥少し柔道から離れてゆっくりしなさい」
柔道部の顧問はそう言って、休みを許可してくれた。不思議にも他の顧問も休みを許可してくれた。
「だから部活の掛け持ちは止めておいた方が良いと言ったんです」
レスリング部の顧問が電話をしているのが耳に入った。オッサンも手伝ってくれた
「まあみんな、無茶やったからやって言ってるわ」
それだけでは無かった。田中さんの墓参りに行く。体が
シャワー浴びてきいや、とオッサンが言うので言われるままシャワーを浴びてまたベッドに横になる。田野君から借りたアメリカンコミックを読む。
「京子ちゃん、燃え尽き症候群やな」
ネットで調べてみるとどうやらがむしゃらに仕事をしていた人が突然、やる気を無くすと言うのだ。じゃあどうすれば良い?
「寝転がって、田野君とデートでもするんやな」
アドバイスになっていない。私はリビングでテレビを観る事にした。メイド長の笹原さんにポテトチップとコーラを用意してもらうのを伝えた。
「お嬢様。市販されているものは体に良く有りません。厨房にフライドポテトを用意させます。コーラはありませんので至急購入します」
大きなソファに横になり、だらしなくテレビを観ている。
「お嬢様。何かあったんですか?このようなリラックスされたお嬢様は久しぶりで」
まあリラックスよ、と答えておいて、私はフライドポテトに手を出した。出来立てのフライドポテトはホクホクして美味しい。最高だ。コーラで流し込む。
「神様も休息させなさいって電報があったわ」
神様が電報?ずいぶんアナログね。
「神様こういうのが好きやねん」
なるほどね。キャミソールにホットパンツでソファに寝転がっていると猫のシロと犬のラブがやって来る。
「まあ今回はしょうがないな。今まで頑張って来たから」
オッサンの声を聞きつつ眠りについた。
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