みんな自由に生きている

アルミニウム

[第1章]多くを持って生まれ、より多くを求めた少女の物語

第1話 秘境スタートは基本

ある日、私は火山の頂で目を覚ました。


「ここは……一体……」


そう呟いてみたものの実際ここが何処か気になっている訳ではなかった。

以前からは考えられない状況に一言零さずには居られなかった。


「こういうのは普通何も分からないものなんだけどねぇ……」


手をじっと見つめ、開いたり閉じたりしてみる。


「まぁ、チュートリアルにしては難し過ぎる状況だし丁度良いかも……ねっ‼」


岩影に隠れていた球状で無機質な印象のある生物から石を引き剥がした。

石を抜き取られた生物は粉々になり風と共に何処かへ行ってしまった


「大きさの割に大したことなかったね。

手助けは要らなかったみたいだけど、ありがとね」


「我々にも気付いていたのですか……

驚きなのです」

「見に来てみて正解だったのです」


「やっぱり偶然通りかかるような場所じゃないと思ったら何かあったみたいだね」


「そのあたりの事情は ‘としょかん’ で説明するのです。

さっさとついて来るのです」

「お前に聞かなくてはいけない事もいくつかあるのです」

「「我々は長なので」」


こうして有無を言わさず ‘としょかん’ に連れさられるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る