第45話 ゆうえんちのガイドさん(第??話)
どうもー!超絶美少女JapariTuberのリンでーす!
えー、皆さん既にご存知かと思いますが、実は私、諸事情により本編に出る事が出来なくなってしまいました。
今回は、外伝ということで特別に出演したいと思いまーす!
え?出番はこれだけ?
そんなぁー……
*
さて、これはどうしたものだろうか……
漫画の取材に遊園地に来たのはいいが、まさかあの2人があんなに意気投合するとはね。
「誰も近付きたがらないような外観、入り組んだ構造。
これらの証拠から導かれる結論は1つ、この建物は――
無敵要塞ザイガス ね!」
「えっと、これは お化け屋敷 というアトラクションのようですね。
……というか、無敵要塞ザイガスって何ですか?」
迷推理とその訂正をしながら遊園地内を巡って行く2人。
本来ガイドされるはずだったタイリクオオカミは蚊帳の外になっている。
「仕方ない。別の取材をするとしよう。
サーバル、一緒に来て貰っても良いかな?」
「うん、いいよ。
キリンの推理のネタが尽きるまでしばらくかかりそうだし、一緒に見てまわろうよ!」
サーバルが笑顔で快諾したのを皮切りに、遊園地の取材という名の遊覧が始まった。
まず初めに目をつけたのがジェットコースター。
激しい高低差、急なカーブ、途中にある1回転、レールを見ただけでもかなり大掛かりなアトラクションであることが窺える。
「コレが何か知ってるかい?」
「ジェットコースターって言うんだよね?
今は動いてないみたいだけど、動いてたら乗ってみたかったなー」
「今も動かせるかも知れないね。
ただ、逆さまの状態で急に止まったり……」
「そんな急に止まったりするかな?
スピードが出てたらなかなか止まれないよね」
怖がらせるつもりがまるで効果がない様子のサーバル。
思惑が外れたタイリクオオカミは逆に「面白いものが見れた」と、満足気だ。
ジェットコースターの次に目に入ったのは観覧車。
遊園地の定番中の定番である。
「これは前にかばんちゃんと乗ったよ!
ちょうど隣のが壊れてビックリしたなー」
「乗ってるのが壊れてたら漫画のネタになってたかもね?」
「あはは……、それはちょっと複雑だね」
自分が漫画のモデルになる事と、その内容を考えると何とも言えない気持ちになるサーバル。
しかし、そんな時間をも楽しんでいるのか、足取りは軽かった。
それから色々なものを見つけては談笑を繰り返していく。
その最中、遊園地の中では比較的小さな建物が気になった。
「ねぇ、オオカミ。アレって何の建物かな?」
サーバルの指が示す先にあるのは、動物を模したデザインの建物。
「あぁ、アレは売店かな。
昔、ヒトが居た頃は、あそこでお土産を買っていたようだね」
「へぇー、ちょっと見ていこうよ!」
何か面白い物がないか探してみることに。
動物をモチーフにした様々なグッズの中から2つ、気になる物を見つけ出した。
「ねぇねぇ、これ、どうかな?」
ジェーンが着けている様なヘッドホンを着けたサーバル。
気になる物の1つがこのヘッドホンだ。
「おや、なかなか似合ってるね。
そういうのも可愛いよ」
からかい半分に感想を述べるタイリクオオカミ。
一方、サーバルの反応は「えへへー」と、素直に嬉しそうだ。
「ところでサーバル。
これについて、どう思う?」
気になった物その2、黒いマントを羽織り、モデルのようなポーズをとってみる。
「すっごく似合ってるよ!
何て言うか、ミステリアス?って感じだよね!」
お互いに似合ってると誉めあった結果、しばらくヘッドホンとマントを着けておくことにした。
この後も2人で散策し、日が傾く時間帯となった。
「ふふっ、今日は楽しかったよ。まるで……」
「まるで?」
途中まで言いかけて最適な言葉を模索するタイリクオオカミと、興味津々に覗き込むサーバル。
「デートみたいだった、かな?」
「うん、そうだね!」
選び抜いた言葉に即座に同意するサーバル。
これがデートだったかはともかく、楽しめた様子だ。
――この後合流したアミメキリンに「これは……デートね!」と、正解かどうか微妙な推理をされたが、空気を読んで正解ということにした。
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