第34話 来た!見た!飽きた!

「みんな難しい顔してどうしたのー?」


「思ってたのと話が違うから混乱してるんだよ。色々と」


フルルのことだから、あんまり重要な事と思ってないんだろうなぁ……

というか、初代からロイヤルペンギン居たんだったらプリンセスに教えてあげてよ。

それはそれで落ち込みそうな性格ではあるけどね。


「フルルは初代から変わってなかったんですねぇー?

でもまぁ、騒ぐほどでもないか……」


いつの間にか居たスナネコ。

噂以上に飽きるのが早い。

これは最早、‘飽きる’ という結果が確定してから興味を抱く、因果律逆転の持ちネタと言っても良いレベルだ。

流石、砂漠S&B天使芸人


「そうだよー?

どこまで誰かじゃぱりまん持ってない?」


圧倒的な天然キャラを発揮するフルル。

これに対し、スナネコが胡椒味のじゃぱりまんを差し出し、何とも言えない空気になった。


結局、圧倒的なマイペースに加えて、即興じゃぱりまんソングを歌いだす二人の前に―― ‘代替わり’ の話題が再開する事は無かった。




   *




「今回は色々ありましたね」


天然高歌唱力コンビのカオスっぷりを振り返り、苦笑いする

かばんちゃん。


「うん、聞きたい事もいっぱいあったのに聞けなかったよね」


あ、ちなみにだけど、今度はコウテイが得意な寒い場所、雪山で一緒に水風呂に入ろうって約束してるから、そのへんは安心だよ?


「代替わりの件は、次に会った時にでも聞きましょう」



そうだね、と返した後、地図に視線を移す。

次の目的地は、‘こうざん’ のカフェかな?

最近増えたと聞く新メニューにワクワクしながらも、旅の疲れを癒すため、しばらく休眠を取ることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る