第33話 前前世代から
粗筋・荒筋【あらすじ】 Summary
大体の筋道。概略。また、
当然、‘冒頭であらすじを説明する’ というのはこういう意味ではないのは言うまでもない。
民味書房刊『ジャガーも「わかってる」と言う単語100選』より一部抜粋
*
「ここはヒトを楽しませるために作られたんだよな?
それで通貨を稼いでいた、と」
「そうだよ。ただ、ちょっと言いづらいんだけど、当時実際に使われてた通貨ってジャパリコインじゃないんだよね。
パーク内で多少使えるところもあったけど」
「そうなのか……でもまぁ、価値は有ったんだな。
それに、今の技術では、ここまで精密に加工するのは難しいだろうし、お宝には違いないな」
金貨ってキラキラしてて綺麗だし、使えなくても持っておきたくなるよね。
まぁ、私は銀貨も銅貨も紙幣も全部好きだけど。
地下迷宮の解説を終え、通貨についても多少の補足をした後、これ以上ここを調べる必要はないということで出口へ向かった。
地下迷宮から出ると、そこには思わぬ お出迎えがあった。
「もう、なんで一人で行っちゃうんですか!
……結構探したんですよ?」
コウテイに詰め寄るジェーン。
そういえば砂漠に来る前に誘って断られたんだっけ?
まぁ、一人で行ったら心配するよね。
「前の代の二人は一緒に砂漠を横断しようとしてフタコブラクダに助けられたんだったよねー?」
あ、フルルも居た。
というかコウテイは代々無茶してるって事だよね。
伝統芸能なの?
「先代の話は初耳なんだが……」
「そうですね。前に調べた時も、そんな資料は見つかりませんでしたし……」
――またしても、違和感。
違和感の正体を探る為、私は一つ質問をしてみた。
「ねぇ、フルル。初めてアイドルになった時のメンバーってどんな感じだったの?」
「んー?今と特に変わらないよー?
ただ、その時のプリンセスはまだ練習生だったから、ステージには上がらなかったかなー?」
違和感の正体が分かった。
少なくともフルルに関しては、初代から代替わりしていない――
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