第10話 修理とは、保存と再現。
「直せそうですか?」
バスの車体の下に潜り込んで作業している私に、心配そうな少女の声が伝わる。
「うーん、応急処置は出来たからとりあえずは動かしても大丈夫だけど……
海水で濡れるとなると、ちょっと厳しいかも」
完全防水として設計されたであろう車体も、経年劣化でその機能を失っていた。
「念の為に試運転……って程でもないけど、動かさせて貰うね」
バスの下から出ると、運転席に乗り込む。
そのまま自然な流れでタイヤ数回転分だけ前進させてバスを停めた。
「本当に、最低限って感じの整備具合だね。
タイヤだけは交換してるみたいだけど他の部品もできれば交換したいところだね。
問題は換えの部品自体が無いことだけど」
そうする場合、かなり大掛かりな修理になる事を暗に示しながら一旦作業を終えた。
――さて、そろそろ博士達も戻って来る時間だ。
今日は五人分、腕によりをかけて料理しないとね。
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