第9話 甘やかす事の功罪
マーフィーの法則というものがある。
それは「失敗する余地があるなら失敗する」「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率はカーペットの値段に比例する」といったユーモラスな経験則だ。
正しいかどうかは別として、私は、この考え方がとても好きだった。
そして、今、似通ったものを感じる状況になっている。
博士達が居ない時に限って来客があったのだ。
博士達を呼ぶ元気な声の主の元へ急いで駆けつけた。
「やあ、いらっしゃい。
残念だけど今、博士達は出かけてるんだ」
「そうなんだ。
ところであなた、何のフレンズ?
耳も尻尾も無いみたいだけど……ちょっと、かばんちゃんに似てるね。
あっ、私はサーバルキャットのサーバル!!
で、こっちは……」
「かばんです。
他にヒトが居ないか探してるんですが、あなたは、もしかして……?」
「私はリン。
何のフレンズかは気にしないで。
どうせフレンズ化したらヒトの性質を得るんだし何だってあんまり関係ないと思うよ」
元々ヒトと相性が悪い動物だった訳でもないよ? と、微笑みながらテーブルと椅子が置いてある場所まで案内する。
「さて、博士に用があるんだったよね?
すぐに戻るとは言ってたけど、正直、今日中に帰って来るか怪しいよ?」
「そうなんですね。
実は ‘工具’ という物が必要なのですが……何か知ってたりしませんか?」
「それなら色々揃ってるよ。
なんだったら作業も手伝うよ」
「良いの!?やったー!!
良かったね、かばんちゃん」
「本当に良いんですか?
まだ何をするかも言ってないのに、そんな……」
「大丈夫、大丈夫。
何をするつもりかは大体分かってるし、何もしないのは私らしくないからね。
さて、行こっか」
工具セットを持って、修理が必要なバスのところへと三人揃って向かう事にした。
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