第22話 Wオオカミ

オオカミ半端ないって!

話が最高に盛り上がったタイミングで寝るんだもん。

そんなこと普通できないよね?

言っておいてよ、寝るんだったら……


と、いう訳で今、私の隣ではタイリクオオカミがスヤスヤと寝息をたてている。


普段はちゃんと寝れてるのかな?

あれだけストレートに面白いって言ってくれるファンがいたら誰だって嬉しいだろうし、つい頑張りすぎちゃうんじゃないかな……

それにしても、ぐっすり寝てるね。

隙を見せた方が悪いってことで、ちょっとだけ――



 ガサゴソ...... モフモフ...... ナデナデ......



――そんなこんなで翌朝。


「んっ……?そうか、確か昨日は一緒に……」


寝ぼけた様子でタイリクオオカミが起き上がる。


「なんかゴメンね?私ばっかり良い顔頂いちゃって」


「いや、私も久しぶりに良い夢が見れた気がするよ」


それってやっぱりアミメキリンに合わせて徹夜が続いてたってことなんじゃ……?


「それなら良かった。けど、普段からちゃんと寝ないとダメだよ?」


自然な流れで腕を抱き寄せ、二人一緒に部屋を出た。


すると、噂のアミメキリンが、


「私の推理に間違いないわ!

サーバル、やっぱりあなたヤギね!!」


支離滅裂な思考・発言をしていた。


「おはようございます。

リンさんがチーターって言われて否定しなかったせいで、ずっとこの調子なんですよ?」


珍しく責めるような事を言ってくるかばんちゃん。

視線は組まれた腕に向いている。

更に続く「リンさんは、オオカミさんより狼らしい行動してますよね?」という言葉も、今の私には、むしろ誇らしかった。


ん?この前も似たような事をした気がする?

マーゲイとは同じベッドに入ったりしてないからセーフでしょ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る