第39話 じゃんぴんぐ あんど じゃぐりんぐ いん じゃんぐる おぶ じゃぱりぱーく

天丼【テンドン】 heaven's don

①「てんぷらどんぶり」の略。てんぷらを米飯に載せてたれをかけた、どんぶり料理。

②漫才・コントなどで1度ウケたギャグを2度3度繰り返すこと。昔の天丼は、海老が2本並んでいたことからきている。


民味書房刊『ツッコミどころしかない ‘手抜き’ レシピ』より一部抜粋




    *



ここは、‘じゃんぐるちほー’。

今回の旅で行ってないのは他に‘さばんなちほー’しかないから流れは大体察して欲しい。

川を渡るのにジャガーのイカダに乗せて貰おうって思うのは分かるよ?

うん、楽しそうだよね。

ただ、私は全くワクワクしてないんだよね。

からね。

たまにはアイデアで解決してくれても良くない?

鬼! 悪魔! かばん!


そんな事を考えていると――


「何か面白い事でも考えてるんですか、リンちゃん?」


怖いぐらいニコニコ顔のかばんちゃん。

このゾクッとする感じ、結構癖になるんだよね。


何でもないよ、と 軽く誤魔化してみると、そうですか、と すんなり会話が途切れた。


まぁ、やる事は変わらないか。




   *




ほとんど原型を留めていない橋の前に着くと、バスを持ち上げる。


「よいしょ!」


バスを投げ、かろうじて浮いている橋の一部分に飛び乗る。

そのままジャンプし、空中でバスをキャッチ。

更に、空中でバスを投げる。

橋に着地。

すかさずジャンプし、バスをキャッチ、そして投げる。

このように常にバスを空中に浮かせておくことで、橋に負担をかけず渡ることができた。



「すっごーい!!そうやったら渡れるんだね!

私の時はバスの前の部分だけでもギリギリだったよー」


一旦分解して半分サーバルちゃんに任せれば良かったのでは……?

うん、野暮な事を考えるのは止めておこう。


しかし、若干の徒労感は否めなかった――

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