第5話 雀を撃つのに大砲を使ってはならない

食材探しを兼ねたちょっとした一人旅。

まさかこんな――


本当の意味での一人旅になるなんて……

そう、もうお分かりだろう。

誰 も 居ないのである!


「いくらなんでも静か過ぎじゃないかなー?

おかげで川の音に気付けた訳だけど……」


釣りは帰りにしないと、でも釣れるとは限らないし……などと呟きながら森の中を歩いていく。


「やっぱり何かおかしい。

まるでような……?」


嫌な予感がするなぁ……。

危ないことはないだろうけど、ただただ面倒な事になりそうな……


とかなんとか考えてたら即座に小型セルリアンの群が襲って来るのって何でだろうね?

私の勘、良過ぎ……!?


「あー、こんなに騒がれたら食材探しどころじゃないよ!!」


サンドスターを操り槍を生成する。


「獅子は兎を狩るにも全力を尽くすって言うからね。

私も全力でいかせてもらうよ!」


槍の先にサンドスターを集中させて突き刺す!!

後で回収するために敢えて石以外の場所を狙う。

それだけでは弾力があってなかなか倒せないみたい……と、なると


「このまま――こうっ!!!」


刺したまま一振りで良い感じに引き裂く。

名付けて “獅子王の剛爪” !

うん、思ったよりすぐに片付きそうだし、テンション上がってるのが良く分かるね。


「これで――ラスト!」


軽く30体は居たセルリアンを石だけ残して倒すことができた。

当初の目的なんて無かったかのように石を回収する。


それにしても地面がズタズタにひび割れちゃってるなぁ……

完全に他人事で眺めていると


「おい、お前!こんなところで何してる?」


ほらね?ただただ面倒な事になったでしょ?

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