第80話 本日の予定
「時間通りだね。さて、はじめよっか。
今日の仕事はボスの通路確保だよ。
明日のPPPライブには大勢のフレンズが来るからね。
できるだけスムーズにじゃぱりまんを運んで貰わないとね」
「はい、頑張りましょう!
ところでここに置いてあるのは何ですか?」
小さな球体がいくつか入っている袋を指さすかばん。
「あぁ、それはスプレッド・グレネード。
玉の中に火薬が詰まった小玉がたくさん入ってるから扱いには気をつけてね。
今回は邪魔な岩なんかを壊すために使うよ」
「なるほど、平和的な道具には聞こえませんでしたがそういう使い方ができるならそれが一番ですね。
さて、仕事にかかりましょう」
「案内するよ。付いて来て。
はぐれないようにね、パークは広いから迷子になるよ」
\怪物だ!逃げろ!逃げろー!!/
何処からか聞こえてくるオオカミの叫び声。
「大丈夫、問題ないよ。
オオカミはこういう悪ふざけが大好きだからね」
\緊急事態発生、緊急事態発生/
緊張感の無い話をしているところにラッキービーストのアラートが鳴り響いた。
「本当に何かあったみたいだね。
そう緊張しなくていいよ。
この扉の奥が――うわあぁぁぁー!?」
じゃぱりまんを保管している建物の扉を開くと体長5メートルを悠に超える蟻に襲われた。
不意を突かれ巨大な蟻に噛みつかれたリン。
胴のあたりを噛まれたまま振り回され、力の入っていない手足がブラブラと揺れる。
「リンちゃん!?
リンちゃんをっ!食べないでくださーい!!」
手に持っていたスプレッド・グレネードを投げつける。
中に入っている小さな爆弾が次々と爆発し、蟻の巨体を粉砕する事に成功した。
それだけを確認すると、間近で爆音と爆風を浴びた影響からか、その場で意識を失った。
*
~ NOW LOADING ~
食らいつかれても反撃できる
食らいつき攻撃を受けても照準を動かせる。敵に狙いを合わせ攻撃せよ。
食らいついている敵を倒せば脱出できる。
ただし、爆発物の使用は危険だ。自分も巻き込まれてしまうだろう。
~ NOW LOADING ~
*
「……ふぁ~。
……あれ?あぁ、夢だったんですね」
近くに居るリンの姿を見て状況を察するかばん。
どうやら図書館で本を読んでいる時に寝てしまっていたようだ。
開かれたままの癖がついてしまったページを丁寧に閉じ直し、元の場所へと返した。
「嫌な夢を見ました。
リンちゃんが大きな蟻に食べられてしまって……」
「確かにそれは嫌な夢だね。HARDESTとINFERNOのことも考えると気が滅入るよね。
多分だけど私も同じ夢を見たことがあるよ。
その後かばんちゃんが火がついた紙飛行機を投げて助けてくれるんだよね?
サーバルちゃんを呼び捨てにしたり雰囲気が違ってて驚いたけど、カッコ良かったよ」
何か違う夢を見ているのではないかと思ったが否定するのも野暮な空気だったので適当に話を合わせるかばんであった――
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