第30話 ‘名称未定’
巨大蜥蜴型セルリアンをあっさり撃破した私は無事に皆と合流できた。
だけどまあ、多少の問題はある訳で……
「もうあんな心配するような事はしないでくださいね?」
かばんちゃんが若干不機嫌なんだよね。
何も別に無茶した訳でもないのに。
「まあまあ、リンちゃん一人の方が都合が良かったみたいだし、仕方なかったんじゃないかな?
それにしても帰ってくるの早かったよね。
もしかして ‘野生解放’ 使ったの?」
「私って、今の姿になる前は動物とかじゃなかったんだ。
だから実は野生解放も使えないんだよね」
サーバルちゃんの疑問に普通に答える。
「そうなんだー」
「そうなんですね」
「「……って、えぇぇ!?」」
やっぱり、そうなるよね。
「一応、野生解放みたいな状態にはなれるんだけど、何て呼ぶか決めてないんだよね」
「ぼくとしては、リンちゃんが元々動物でなかったという話を詳しく聞きたいんですが」
「無理そうだよね。リンちゃんのことだし」
「そうだね。リンちゃんのことだし」
私ってどんなイメージなのかな?
確かにその話はするつもり無かったけど!
「せっかくだからリンちゃんの ‘野生解放’ を何て呼ぶか決めようよ」
サーバルちゃん、そんなに気を遣わなくても……
「 ‘個性全開’ とかどうかな?」
悪くないけど、あんまり強そうじゃないよね。
「 ‘常識超越’ は、どうでしょうか?」
非常識でゴメンね?
「ラッキーさん、何か良い案無いですか?」
「検索中.....検索中..... ‘問答無用’ ガ 最適ダネ」
最早悪口なんだけど、それは。
あながち間違ってないけど、もうちょっとポジティブな表現してくれないかなぁ……
結局、何も良い案は無く、ちょっとした大喜利状態が続くだけだった。
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