第18話 Wマーゲイ

「「ロイヤルペンギンのプリンセス!」」

「「イワトビペンギンだぜー!の、イワビーだ!」」

「「ジェンツーペンギンの、ジェーンです、はい!」」

「「フルルー! フンボルトペンギンー!」」

「「コウテイペンギン、コウテイだ」」


「「「「「「5人揃ってー!PPP!!」」」」」」



会場は熱気に包まれる。

流れる汗はステージを飾る光となってゆく。

一生懸命歌い、踊る5人に負けじと観客わたしたちも全力で声援を送った。

今回のライブは、3代目ペンギンアイドルPPPとして、今までで一番輝いた瞬間だったと 言えるだろう。



   *



「なかなかロックなライブだったぜ!」

「あ、イワビーさん。お疲れ様です。

とても良いライブでしたよ」

「そうそう。前に見た時より、すっごく上手くなってたよね!」

「おう、改めて言われると照れるぜー」


「あら、かばんにサーバルじゃない。

そういえば、最前列で見てくれてたわね。

それから……」


プリンセスが私の方へ視線を向けてきた。


「私だけ最後列で見ててごめんね?

私はリン。ライブを見に来たのは今回が初めてだけど、PPPの大ファンなんだ」

「見に来てくれて、ありがとうございます。

一緒に踊っててくれたみたいですが、振り付けも完璧でしたよ」


ジェーンは最後列の観客の様子まで、ちゃんと見てくれているらしい。

アイドルの鑑と言うか、なんと言うか……好き!


「みんなキラキラしてて綺麗だったよねー」


シンプルな感想もかわいいフルル。

あぁ……延々と じゃぱりまんを食べさせてあげたい。


「  」


コウテイは白目むいて気絶してるし、それより気になるのが……


「ぐへっ、ぐへへへー……」


物陰に隠れ、鼻血を流すマーゲイ。

マネージャーとしてそれはどうなのかとも思うがPPP愛があるのは良く伝わってきた。

だったら、きっと私達は分かり合えるだろう。



――この後、滅茶苦茶意気投合した。



サーバルの「マーゲイが二人いるみたいだよね」という発言も、最早褒め言葉にしか聞こえなかった。

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