第27話 コメ語るよりコメ食べよう

米【コメ】 rice

稲の果実である籾から外皮を取り去った粒状の穀物である。穀物の一種として米穀とも呼ぶ。「米」「稲」「飯」といった、収穫前・収穫後・調理前・調理後などによる区別がない言語が多数ある。例えば英語圏ではすべてriceという同一の単語で扱われる。なお、呼び名がどうであれ、感謝を伴って食べるべきであるのは言うまでもない。


民味みんみ書房刊『猫の手から学ぶ ‘じゅるり’ ごはん!』より一部抜粋




   *




「悪いねー。こんなにたくさん」


「うむ、力仕事なら手伝えたのだがな」


ライオンとヘラジカに、カレーを渡す。

これで全員揃ったはずだ。

量が多かったせいで大変だったが、尽力し――為し遂げた。

材料に対して完成品が多すぎる気もするが、その辺は良くあることだ。

ジャパリパークでの不思議な現象は大抵、サンドスターの仕業で説明がつく。

砂漠から一歩出たら普通に水が豊富な地方だったり、一年中、桜が咲く島があったり、気候一つ取っても分からないことだらけだ。



「お疲れ様です。カレー作りなら、ぼくも手伝えると思ったんですが、リンちゃんほど手際良くはいきませんね」


「お疲れ様、リンちゃん。

私も、野菜切るのリンちゃんの半分ぐらいしか出来なかったよ」


作業を終え、少しぼんやりしていると、かばんちゃんとサーバルちゃんが労いの言葉をかけてくれた。


「気にしなくて良いよ。

私も、 ‘頼りになる子’ っていう感じに思われるのは嬉しいし」


かばんちゃんが喜んでくれるなら、尚更――とは敢えて言わない。

趣味全開の猫耳とエプロンドレスを用意していた かばんちゃんへのちょっとした悪戯心だ。



――さて、手作りとは思えない完成度の猫耳+エプロンドレスちょっとしたコスプレも堪能したし、冷めないうちに料理カレーを堪能することにしようかな?

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