第86話 外食感覚の気軽さで(前編)
~別に使わない用語解説~
・ヤギレイダー
頭部に5本ある通信ユニットを用いてヤギの位置を伝達する役割。
周囲に指さす相手が居ないなど真価を発揮できない状況もある(中級者以上向け)
*
※前回登場したつなぎちゃんはそこら中に放置されている車体を見かねて修理に向かいました。
「慌ただしかったですね。結局、何の為に呼び出したんですか?」
危険な事は無いと判断するとすぐに現れるアノン。
安定行動である。
「いやー、別のつなぎちゃんに来て貰ってテンション上げていこうと思ったんだけど……
「
「そうだね。つなぎちゃんの言う通り――ってなんか居るー!?」
「ちょっとお腹が空いたので遊びに来ました。
つなぎです。よろしくお願いします」
はい、収容違反。
「気軽に次元の壁を越えて来れるなんて設定盛り過ぎてない?
いくら “ 胸と御飯はいくら盛っても良い ” がモットーとは言っても限度があるよね」
「そんなこと言いましたっけ?」
当然、捏造である。
実際に言っていたとしても設定を盛って良いという根拠にはならない。
「それより はやくごはんつくって、やくめでしょ」
「甘いよ つなぎちゃん。ハチミツ並みに甘いよ。
ご飯が食べたければアノンちゃんに料理対決で勝つことだね」
「良いでしょう、受けてたちます。僕は料理にはうるさいですよ」
「あの、乗り気なところ申し訳ないですが私とつなぎさんが喋ってるとややこしくないですか?
口調がちょっと似てますし、地の文を減らす演出中ですし……」
「気にしすぎだと思うよ?」
「いえ、気にしすぎではありません。キャラ被りは死活問題です!
消される前に消すぐらいの気持ちで行かないと……」
「何でそんなに攻撃的な発想なの!?」
「つなぎさん、かくごー!!」 ガシッ ビターン!!
「あっ(察し)」
「うぅ……こんな時ジャパリソードがあれば……」
「ネギならあるけど」
「あるじゃないですか、ジャパリソード!!
これでつなぎさんに勝てます!!
うおぉー!!」 ペシッ ズドーン!!
「うぅ……また負けちゃいました……」
「だろうね」
「ジャパリハンマーさえあれば何とか……」
「ネギならあるけど」
「あるじゃないですか、ジャパリハンマー!!
今度こそ勝ってきます!」
ブォン!! キンッ! キンッ! ガキンッ!!
・・・ ・・・
「わーい、勝ったー♪」
「何で!?……って、つなぎちゃんは大丈夫なの?
ゲストに乱暴したらダメだよアノンちゃん!」
倒れているつなぎに駆け寄るリン。
ダメージを確認するため顔を覗き込んだ。
「光ある限り、闇が潰える事は無い……」ガクッ
「つなぎちゃん!?何でそんな悪役っぽいセリフを!?
つなぎちゃん!つなぎちゃーん!!」
「なんですか?」ムシャムシャ
ネギをかじりながら復活するつなぎ。
そもそもダメージが入っていたのか怪しい余裕っぷりである。
「生きてた! というか普通に料理対決してよ、二人とも」
「そういえばそんな話でしたね。つなぎさん、先攻は譲りますよ」
料理対決なら後攻が有利なのでためらいなく先攻を譲るスタイル。勝つ為には手段を選ばない主人公は伊達じゃない。
「いいんですか?
僕が先攻だとターンすら回って来ないかもしれませんよ?」
料理対決においてK.O.勝ちは基本中の基本である(大嘘)
「二人とも気合い入ってるね。
それじゃあ、三本勝負一品目のテーマは春巻き!
いいね?」
「が、頑張ります……!」
「まさかの春巻き……っ! 勝った!第3部 完 !!」
※現在、第2章外伝進行中です。
「一品目を制した方に100万ポイントだよ。頑張ってね!
「そういうのって最後にやるものじゃないんですか!?」
常識には囚われない――故に
これをやると二本目以降が消化試合になって盛り上がらないから真似をするなら気を付けよう!
_人人人人人_
>調 理 開 始<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y  ̄
テレッテッテテテ テレッテッテテテ テレッテッテテテテテテッテッテ-♪
(BGM:九尾ィ3分クッキングのテーマ オイナリサマ生演奏ver.)
――数分後
「できました。
「どれどれ……って何この色!?食べちゃいけない色してない!?」
「ふっふっふ……良いところに気付きましたね。
今回はアレンジ自由だったので春巻きより一歩先を行く夏の西瓜風カラーリングにしてみました」
「えぇ……今からでも誰か審査員代わってくれないかなぁ……」
「問答無用です!」 ゴッ
「自由を奪って食べさせるなんて……!」
無理矢理口の中に放り込まれる料理。別段卑怯ではない。
「あれ?意外と悪くないかも……」
食欲を奪う配色ではあったが、カリッと焼かれた皮にジュワッと広がる肉汁が包まれた一品であった。
「いえ、本番はここからですよ」
――その時、余計な事が起こった。
口を開けた隙にサンドスターの結晶を放り込んだのである。
「これは……春巻きが膨らんで……?」 パッカーン!!
口内でセルリアンと化した春巻きが 大☆爆☆発 !
これぞセル巻きの真骨頂である。
その爆発の威力は実に100万パワーにも上るという……
さらに今回は無駄に2人前作ったため威力2倍!
通常の2倍の温度で揚げたので更に2倍!
そして3倍のアレンジを加えれば――
リンの防御力を上回る1200万パワーだー!!
「ちょっ、まっ……グワァァー!?
この一品こそが悲劇の引き金となるだろう――」 ガクッ
「何でリンさんまで悪役っぽい捨て台詞を!?流行ってるんですか!?」
「いやー、そうした方が面白いかと思って……ね?」
無傷で復活するリン。
特にシリアスな状況でもないので死ぬ事はあり得ない。
「つなぎちゃん、イエローカードだよ。料理にしては危な過ぎるからね。
まぁ、結構面白い食感だったしそのチャレンジ精神を称えて――グリフィンドールに10点!」
現在の得点
つなぎ:0(イエローカード1)
アノン:0
グリフィンドール:10
「イエローカードですか、よくそんなもので威張れたものですね。こんなカード36枚も持ってますよ」 ビリッ
イエローカードを破り捨てるつなぎ。何なの、この子……
「さて、次は私の番ですよ。どうぞお召し上がり下さい!
寿司のパーティ スーパーデラックス ~はるまきとともに~ です!」
\デンッ/
0kcal 0kcal 0kcal
あきれかえるほど へいわなばしょ『ジャパリパーク』から、すべてのカロリーがうばわれた!おなかがすくのはこまります。
たおせっ!ワルもの『アノンちゃん』!!
スーパーみじかく、らくらくりょうり。
グルメしろうとさんにも オススメだ。
「カロリーが死んだ!この人でなし!!
いやまぁ、いつものことだけど……
というかこのボリュームは試食のレベル超えてない?」
「せっかくですからつなぎさんにも食べて貰おうかと……」
「対決の趣旨は!?
あ、料理自体はアノンちゃんの圧勝だよ。100万ポイントね」
現在の得点
つなぎ:0(イエローカード36枚所持)
アノン:1000000
グリフィンドール:10
「私だけこんなに貰ってばかりでは申し訳ないので半分おすそわけです♪」
「では僕からはこれを……」
現在の得点
つなぎ:500000(イエローカード18枚)
アノン:500000(イエローカード18枚)
「何普通に受け渡ししてるの!?
自由過ぎるでしょ……」
まさかの接戦、勝負の行方は――?(後編に続く)
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