第62話 たまにはほどほどに休もう
無事に砂糖と塩を見分ける事に成功するとすぐに朝食を作り始めた。
料理にも慣れたもので、手間の掛かりそうなものが幾つかあったにも関わらず、ほんの10分足らずで一通りの作業を終えた。
~本日の朝食~
主食――焼きたてジャパリパン(360kcal)
主菜――砂糖バタースクランブルエッグ(280kcal)
副菜――ゴツゴーシュンギクの塩漬け(-220kcal)
汁物――ラオシャンメロンスープ(270kcal)
計690kcal
ご都合主義な春菊のおかげで丁度良いカロリーになっているが、カロリーマイナスとは一体何なのか。
「んー……美味しかった」
朝食を終えると、いかにも眠そうな足取りで元の広間に戻った。
そこでは相変わらずライオンがゴロゴロ転がっており、見ているだけで眠くなりそうである。
城の主がゴロゴロしているのに自分があれこれ動き回るのは失礼にあたる、と若干ゃ謎の理論を展開し、横になるアノン。
目を閉じながら「寝ないよ、寝ない……休むだけだよ。ほんのちょっとね」と、自分に言い聞かせる様に呟いた。
案の定、数分後には二度寝を決め込む事になるのだがここまでの旅路を考えると仕方ない事なのかもしれない。
結局、この日の大半を寝て過ごし、昼食や夕食もじゃぱりまんを食べただけというだらけ具合であった。
料理人アノンの活躍はまだまだ続く!
……明日からね。
*
その日、別の場所では――
「おなかすいた。だから、一緒にいく。イヤ?
でも一緒にいくよ。だって、それがいい」
「イヤじゃないけどそれはダメだよ。
私以外が通ったらフィルターも張り直さないといけなくなるからね。
またジャパまん持って来るからそれまで我慢してて、ね?」
宥めるように言うと、少女はフィルターを素通りし、外へ出て行った。
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