第67話 凱旋
~前回のおまけ~
「聞いて欲しいのだ、フェネック」
「あほくさいんじゃない?」
「それはまだ早いのだ!過程を省きすぎなのだー!?」
*
「えい!よいしょっと!!
ふぅ、あんまり上手くいかないなぁ……」
自分には不向きな行為の数々に対し、アノンは悪戦苦闘していた。
笑顔を保ったまま腕立て伏せをすること、あるいは斧で大木を斬り倒すこと、時には隕石を迎撃すること――いずれもアイドルとして必須項目にも関わらず、非力なアノンにとっては厳しすぎるものであった。
筋力。
それは単純ながら容易には手に入らないもの。
激しいパフォーマンスの
才能は兎も角、努力は今からでも遅くない。
ならば答えはひとぉつ!長にぃ!協力を!!仰ごう!!
ということで図書館に移動。
道中の描写は割愛。一人旅の上、飛べるとなれば機動力が有頂天でマッハである。
到着してすぐに事情を説明すると、
「協力して欲しければ料理を作るのです」
「どれほど上達したのか期待しているのですよ」
当然こうなる。
誰もが予想できたことであり、特に反対する理由もなかったので恒例の料理タイムに入った。
今回作ったのは三品。
まず一品目、いたずら好きな双子南瓜。
一見、生のカボチャが2つあるだけのようだが、中身がくり抜かれており、それぞれにカボチャの炊き込みご飯とカボチャスープが入っている。
ハロウィンにちなんだメニューなのだが、季節物は今後時期に合わないものが出しづらくなってしまうので極力避けたかったというのが本音である。
続いて二品は、強引なハンペンバーグ。
文字通りハンペンを強引にミンチし、挽肉の代わりとしたハンバーグ。
比較的ボリューミーでヘルシーな料理。
三品目は、デザート枠の
デカァァァいッ!説明不要ッ!!
今までで最高の完成度を誇るこの三品は、“ごはんです!三種の神器”として末永く親しまれることとなる。
「良くここまで上達したのです……
それにバランスも悪くないのです。
この料理は三種の神器とでも呼ぶべき領域に達しているのです」
それはもう地の文で説明済みである。
「ならば答えは一つなのです。
お前に! 智恵を!! 授けるのです!!」
それもさっきやった。
一部の例外を除き地の文を把握など出来る訳がないので仕方ないことである。
「――とはいっても準備がまだなのですよ、助手」
「このまましばらく待って貰うしかないですね、博士」
アノンを鍛え上げる策は、なんと次回に持ち越し。
1話で2つ以上のテーマを扱うのは難しいので許してください!←今回のゆるーいポイント
※ゆるーいポイントが1億ポイント貯まっても特に何もありません。ご了承ください。
次回、忍び寄る闇
過ぎた力を手にする代償とは――?
Coming soon !
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます