第15話 あたたまりポイント
個性とは、性格や行動だけでは表せない。
今の私の目の前に広がる光景は、まさしく“皆違って皆良い”というべきか。
まずは、キタキツネ。
普段着ている服のせいか、脱いだ後では一層小柄に見える。
幼さを感じさせる体型は、彼女らしさとマッチしていて、見る者によっては視線を釘付けにされてしまうだろう。
次は、ギンギツネ。
キタキツネと比べると大人びた印象を受ける。
雪が太陽の光を照り返すような透き通った白い肌は、どこか気品を感じさせ、「美しい」という表現が最もふさわしいとさえ思えた。
そして、サーバルちゃん。
この中で一番、日の光を浴びていることが伺える少し焼けた肌。
スラッと伸びた健脚は、いつも元気に走り回ってきたことの証だろう。
たとえ邪な視線を向けられたとしても気付かない、その無邪気な姿は、私には少し眩し過ぎた。
最後に、かばんちゃん。
しっかりとした性格とは違って、幼さの残るスタイルだ。
本人は、それを気にしている様子で、恥ずかしがっている。
個人の主観ではあるけれど、恥じらう姿は魅力的に映った。
視線を感じたのかチラチラとこちらを見てくる姿も、とても可愛らしい。
あ、もしかして私のことが気になってたりするのかな?
私も、容姿には結構自信がある。
肩まで伸ばしたストレートな黒髪。
顔立ちは、そこそこ整ってる方だと思う。
そして、チャームポイントの瞳は少し青みががっていて、澄んでいるのにもかかわらず奥まで見透す事ができない。
この世のものとは思えない妖しさで輝く瞳を覗き込んでしまった かばんちゃんは、まるで深淵を覗いているかのような錯覚に陥る。
0/1d6のSAN値チェックです。
……流石に冗談だけどね。
ずっとゲームしてたから思考がそっちに引っ張られてるかな?
思考が鈍っている事を自覚した私は、脱衣場での観察もそこそこに、浴室へと足を運んだ。
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