第92話 フィルター再起動作戦 プランA
~これまでのあらすじ~
こんばんは。
エルマ族のつなぎといいます。
エルマ族の中でも優秀なハスーイの末裔ですよ。
この前友達のアノンさんとジャッフンーの大会に出たんですよ。
優勝商品がラダヌシャとポールモーコーで若干気合いが入りましたw
それで決勝まで行ったんですけど、凄い面白い事が起きたんですよ。
最終のババウのときに、アノンさんがケウェーウをシャイツwww
しかも相手チームもハジャエをロッキンスマールしてたしwww
セルニャじゃないんだからwwwww
まじうけるwwwwwナハユwwwwwハユイwwwwwケスwwww
やべwwww母国語でちゃったwwwバスwwww
『調理酒に酔ったつなぎの日誌』より一部抜粋
*
オイナリちゃんは厳しいよ。
『謹慎処分です!』とか何とかおかしなことを言ってるのがその証拠。
私がずっと暇そうにしてたら、ファンの皆まで退屈になっちゃう。
今は大人しくしててもいいけど、いつか必ず――
「リンさん、今度は何やらかしたんですか?」
「良く聞いてくれたね、アノンちゃん!
寝てるキュウビちゃんの尻尾を三つ編みにしたのをオイナリちゃんのせいにしただけなのにこの有り様だよ、まったく……」
「弁解の余地がないくらいリンさんが悪いじゃないですか」
「そうだね。だから大人しくしてるんだよ。
なんか神秘的な力が籠った縄で縛られるのも貴重な体験だし……?
――という訳で四神の石板を元の位置に戻す仕事は任せちゃって良いかな?」
なんだかんだで石板が戻されていなかったことを軽いノリで告げるリン。
それを聞いたアノンは思考を始める。
引き受けた場合のメリット、デメリット。断った場合のメリット、デメリット。判断基準、最適解etc.
刹那とも言える僅かな時間の後に答えを告げた。
「仕方ないですね。分かりました」
こう答えたのには理由がある。
これが一番安全だからである。
こんな主人公らしからぬ性格でありながら自分が2代目主人公だと信じて疑わない一般
「あ、一つ言い忘れてたけど石板を直して戻って来るまでは笑っちゃダメだからね?」
「なんですか、その条件!?」
ツッコミも虚しく受け流され、火山へ
なお、達成できなければ100人のハンターが放出される(※されません)
「あれ?なんでしょうか……何か置いてありますね」
山頂が近くに見えてきたというところで不自然に置かれた大きな楽器ケースを見つける。
観察してみたところ、真新しく、つい最近置かれたものだと分かる。
これを開けない事には話が進まないのだが警戒心の強いアノンはなかなか開けようとしない。
これが他の
ハクトウワシなら「開けるのが正義ですよ」
キングコブラなら「開けてください、お願いします」
某ガイドさんに対してなら「中のものはモフモフして良いですよ」
と言えば済む話だからだ。
ならばアノンに対して効果的な方法は……
「開けないと危ない目に遇うよ?」
「この声は……リンさん!?謹慎処分のはずでは?」
楽器ケースから聞こえた声のおかげで中身がバレてしまう。
ツメが甘いとかそんなレベルではないが良くあることなので気にしてはいけない。
「残念だったね。フレンズ違いだよ」
結局自力で出て来た謎のフレンズ。
スーツ姿である事を除いてリンと酷似している。
「私こそ今、一番話題のフレンズ!
カルロス・リーンだよ」
「あ、そういう設定でいくんですね」
「思ったより微妙な反応だね。この衣装のスーツ3万円もしたのに……
まぁ正確には手紙100通送ったらオマケで貰えたんだけど」
「手紙を送るのと衣装が貰えるのに何の関連性があるんでしょうか……?」
まるでピックアップと関係ないアイテムがセットになったガチャに対する反応のような純粋な感想を洩らすアノン。
誰もが疑問に思うことを口にしただけであり他意はない。……本当にない。
「そんなことは気にしなくて大丈夫。それより渡し忘れてたコレ、渡しておくね」
「あっ、はい。ありがとうございます……?」
何か良くわからないものを渡された。
どうやら平たい石を加工したものらしく、“ リ ” の文字が刻まれている。
リの石板を手に入れた!
四神の石板とは無関係と思われる石板を受け取ってしまった(正直邪魔らしい)が気にせず山頂を目指す。
「あ、こんなところにセイリュウさんの石板がありますね。
確か東だから……あっちに持って行けば良さそうですね」
それほど重くない石板を「よいしょ、よいしょ」と運んでいく。
本来あるべき場所に石板を
「まずは一つ、ですね……っ!?」
石板を置き直し、お供え物として竜が巻き付いた剣のキーホルダーを飾ったところ何かの気配に気付く。
セルリアンだ。
大きさはニワトリの卵程度といったところだろうか。
普通のフレンズにとって脅威と呼べるものではないだろう。
――だが
「えいっ!」 ペシッ
全力で足を振り下ろし、弱点に直撃させるも案の定セルリアンにダメージを与えられない。
野生解放してもこの攻撃力の低さは彼女が動物の姿だった頃に野生を失う程に飼われていたことに起因するのだが今はそんなシリアスな話をする流れではないので置いておくとしよう。
自分の攻撃力の低さなど理解しているアノンはすぐに牽制だったと割り切り、逃げを打つ。
しかし、ここで思いもよらぬ援軍の登場によって逃げる必要すらもなくなった。
ズドーン!! パッカーン!
「攻撃が通じないなら逃げる。良い判断よ。
殺伐とした火山に探検隊制服姿のキタキツネが!!
\おでかけに最適なカジュアルな服装/
「ギンギツネさん!?何故!?……あ、いえ、助かりました」
サンタ服を着たギンギツネに向かって頭を下げるアノン。
それに対してギンギツネは演技っぽくこう言い放った――
「ただのギンギツネじゃないわよ。
今の私はギンギツネ・オルタ・サンタ・リリィ[ラブリー]よ!」
「いくらキャラを濃くしても笑いませんからね」
「論理的な
でも残念ながら笑いの刺客として来た訳ではないのよ。
最近変わったセルリアンが増えてるみたいだから駆除を兼ねて“かくらんボールZF”を試しに来たの」
「DLCみたいな強化形ですね……」
「
こんなのを作らないといけないほど手強いセルリアンが出てくるようになったってことでもあるの。
アノン、貴女なら分かってると思うけどおかしなことがあったらすぐ逃げなさいよ」
「なんでそんな不穏なこと言うんですか!?
絶対この後危ない目に遭う流れじゃないですか……」
分かりやすいフラグをたてられてしまったアノン。
パークに起こっている異変……今まで以上に強力なセルリアン達を前に、彼女は生き残ることができるのか――?
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