第49話 Is the order a library ??

「あなたが何のフレンズか、私にはお見通しよ!

あなたは――さぎね!!」


「なるほど、そうなんですね」


自信満々に断言するアミメキリンと真に受けるアノン。



「特徴からして違うと思いますが……」


「かばんちゃん、やっぱり図書館に行った方が良かったんじゃないかな?」


至って正論である。

続けて「もしかして疲れてる?」「ここでお休みしていく?」 と、捉え方次第では辛辣な発言をするサーバル。

勿論、本人にそのような意図は無く、純粋に心配しているだけであるが。


「いや、多分これで良いんだよ、サーバルちゃん。

どうせ博士達はここに来るはずだから……そうですよね?オオカミさん」


「おや、面白い事を言うね。

まるでキミまで探偵になったみたいじゃないか。

何故そう思ったか聞かせて貰えるかい?」


演技がかった調子で事件の犯人のような事を言い出すタイリクオオカミ。

当然、何も悪い事などしていない。


「理由は3つあります。

1つ、先ほどから誰か来てないか外を気にしていること。

2つ、漫画の原稿を手渡せる状態にして持っていること。

3つ、直感です」



結論から言えば、この推理は正しい。

だが、肝心の理由が読者にとって知り得ない描写されていない情報である。

さらに、直感に至っては何の根拠にもなっていない。

推理小説としては反則技もいいところだろう。

言うまでもない事だが、推理小説ではないので何の問題もない。

  ……多分。



「察しの通り、これは博士達から依頼された物でね。

ある出来事を誰にでも分かりやすいように漫画にしたんだ。

後で博士達には内容を確認して貰うけど、その時に一緒に見て貰えるかい?」


「ある出来事……そうですね、ぼく達が見ない訳にはいきませんから」


かばんはすぐに理解し、サーバルは少し考えた後に理解した。

唯一、アノンだけは理解できない様子だった。


「心配しなくても、すぐ教えてくれるよ。

キミが何のフレンズかも、もね」


タイリクオオカミの視線の先には、静かなロッジに音も無く舞い降りる島の長達の姿があった。

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