第7話 牙が鋭い方が勝つ

私は今、正座をしている。

させられているのではなく、している。

なんでもヒグマが熱心な私の追っかけで、どうしても正座をしているところを見たかったんだとか……ホントだよ?

ワタシ ウソ ツイテナイ


「おい、リン。話聞いてるか?」


要するに石を砕かずに保管している事が気に食わないらしい。

キンシコウに助けを求めようと視線を向けるも、「ごめんなさいね」と苦笑いするだけだった。


「ごめん、聞いてなかった。

もう十回言ってくれる?」


話し合ってもキリがないだろうし、こう答えるしかないよね。

もしかしたら「せめて後一回で聞き取る努力をしろ」みたいな良い感じのツッコミをしてくれるかもしれないし。


「……それは力づくで決着を付けようってことだな?」


「そういう時だけは理解が早くて助かるよ」


まぁ、そこまで甘くはないよねぇ……。


サンドスターを集束した二本の短剣を両手に構える。

今回は逃げる訳ではないし、ただ闘って勝つだけで良いという訳でもない。

私が何のフレンズか分からないことを警戒している側面もある以上、闘いの中で納得して貰う必要がある。



構えた短剣を強く握りしめ、ヒグマが振るう熊手に向かって駆け出していった―――

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