第89話 叔父の本音
四人はしばらく話をしていたが、おもむろに
「なあ
玄郭の蔵書殿で過去の書簡を調べたところ、修行をしなくても大きな力を使うことができるため、危機感を覚えた者が禁術にしたという。政主に能力を認められた者にのみ陣の描き方を教えることで、禁術となった原因を取り除こうとしている。
中心となって動いているのは、呪部を置いていなかった
「……よかった。お兄さんの作ったまじないが残っていて」
しみじみと呟いた
「ということで、手合わせしないか? 俺は、四年前の天弥道の時に全然役に立てなかった。気を失ってしまうほど弱かった。お前が消えていた間、有事の際に役に立てるようになりたくて、儀仙堂の腕の立つ者に教えを請い修行をしたんだ」
「もちろん。僕も暁片の妖に剣を習ったから、剣を使えるようになったんだよ」
二人が意気揚々と建物の外へ出ていく中、
「叔父上」
「どうした、
「叔父上は、いったい何者なのですか?」
「……何者かと言われてもなあ、答えようがない。今の私は肩書もないただの老人だよ。
「叔父上は何かを隠しているのではないか、と私には思えるのです。
「利用できるものはどんなものだって利用する。たとえ、自分自身であっても利用するさ。ほら、
「それはそうですが……」
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