第21話 処遇の決定
「まず、
人々のざわつきが静まりかえり、皆の注目が黄龍の
「皆、そのように固くならずに。今回皆を集めたのは、
そして、折角皆が集まったのであるから、妖鬼退治を競う”大会”を開こうと思っている。是非皆にも参加願いたい」
朗々と唄うように
「では、城歴李氏の当主、
ほどなくして、数人の見張りに囲まれて一人の男が入ってきた。
「
「…… 生まれたら殺すべき”厄災を招く子”を、
「確かに、”厄災を招く子”は言い伝えにより殺すこととなっている。だが、我々は”厄災を招く子”を殺す理由をよく知らないのだ。殺すべき理由も知らないのに、みだりに子どもを殺すのは良くないだろう? ”厄災を招く子”は、一体何をするから殺すべきなのか? その理由は何なのか知っているか、
「……それは、法宝”
「”厄災を招く子”が生まれた頃、李氏に書簡が届けられたという。その内容は、”厄災を招く子”は暁片を導くから生かしておけ、というものだったらしい。
私が思うに、”厄災を招く子”というのは、戦を招く
唐突に、棗は
「なあ
「その通りだ黄龍殿、”厄災を招く子”は現在も厳重な警備の元にいる。それに、常院楼の地下よりも格段に環境は良いだろう」
棗は
それに、本当は
棗はゆっくりと李に向き直り、問いを続けた。
「”厄災を招く子”を
今の話に何か不満な点があったのか、
「あのような気味の悪い子どもをどうして普通に育てられる! あれは、見張りを何人、何十人と死に追いやった! 見張りだけじゃない、使用人や門下生もだ! 」
李は脂汗をかき、まくし立てて話すため唾が飛び散った。棗は眉間にしわを寄せたが、何も言わずにその様子を見ていた。
李は棗を睨みつけて、声を一層低くして怒鳴った。
「”あれ”を普通に育てるくらいなら、殺したほうがましだ!」
その言葉を聞いた途端、雷が落ちたときのような衝撃が
苦しい。全身が震える。逃げ出したい。なんで、こんなことを言われなくちゃいけないんだ。渦のような何かが常の全身を巡り、ぞわりと全身の毛が逆立つ。
そして、常はついに居たたまれなくなって、立ち上がって口を押さえながら大広間を駆けて出て行ってしまった。
「……
常を追おうとした
政主に止められれば、いくら白虎といえど逆らいにくい。立ち上がる寸前であった
大広間にいる皆は常が出て行った方向を一瞥したが、すぐに李氏のほうを向き直った。
棗は、急に李氏に対する興味が失せたようになって、平坦な口調で言い放った。
「もうよい、
棗は自身の唇に指を当てて、滑らせるように撫でた。目を細めてじっと李を見つめる。
「刑を決定しよう。皆、なにか案はあるか?」
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