大会一日目
第25話 大会の開始
会合の翌日。日が昇り、鳥のさえずりが
今日は各勢力により妖鬼討伐を競う大会が行われる。
「おはようございます、よく眠れましたか?」
師兄の
常は目をこすりながら起き上がった。
「うん、よく眠れた」
「今日は大会ですよ。
「冷さんって外交も剣術もできるの?」
冷の剣の手入れを近くで見ながら、常は問いかけた。剣は危ないため冷が常から遠ざかると、常が首を伸ばして再度のぞき込んだ。冷は笑って、剣を鞘に仕舞った。
「私はまだまだです。剣術なんて、白虎殿には及ばないですよ。白虎殿は雪雲閣の代々伝わる剣技、”
”
「冷さんは習得してないの?」
「ええ。歴代の白虎だけのみ習得することを許されているのですよ」
冷は剣を櫛に持ち替えて、常の髪を梳こうと立ち上がりながら、問いかけに答えた。常はそれに気づいて、逃げ出そうとする。
すると榻に腰掛けて目をつむっていた
「私は
冷は急にしゃべり出した秋に驚いて櫛を落としそうになった。
「白虎殿、起きていたんですか!?」
「たった今起きた」
秋はいつもの涼しい目つきながらも、一つ欠伸をした。
常はどうして冷が白虎になれなかったのか気になっていたが、二人の事情に踏み入るのははばかられたため、聞くことができなかった。冷が常を捕まえて、絡まった髪を梳くのを仕方なく受け入れた。
◆
大会が行われるのは
もちろん、妖鬼討伐の頭である白虎・青龍・朱雀・玄武も参加することとなっていた。
人が集まったのを確認して、五人の真ん中に座っていた主催者の
「ここに大会の開始を告げる! 大会の規則はただ一つ、妖鬼を多く討伐した者の勝ちとする!」
その音に驚いたのか、木の上にいた鳥が何羽も飛び去り、門下生たちは皆駆け出した。
「さて、皆どう動くだろうか―― 見物だな」
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