第75話 今の君への激励
そして黄龍に伝達される前まで時は少し遡り、天弥道。どこからともなく動く死体や妖鬼が数百体ほど出たが、儀仙堂による強固な妖鬼除けの陣により、なんとか天弥道一帯は守られている状態であった。
四合院の中庭に、
「天弥道門下の者たちよ、一の班と二の班は建物周りの妖鬼討伐を頼む。三の班は妖鬼がどこに多く現れているか、妖鬼の数はどのくらいなのか偵察してくれ。そして、これは私からの命だ。皆、他門からの応援が来るまでに絶対に生き延びなさい。戦っている妖鬼が強いと感じたらすぐに引き、目の部分に穴のあいた朱の紙鳥を飛ばしなさい」
政主の話が終わったのを確認し、朱雀の
「皆、鍛錬通りにはいかないこともあるだろうが、冷静に対処せよ!」
門下生たちは拱手を行い、各々命じられた任務を遂行するために建物の外へと向かっていく。
「政主様――いや、
門下生達が外へ向かうのを眺めながら、
「分かった、私はここから指示を出すよ。いざとなったら奥の手を使うからね」
「なるべく奥の手を使う事態にはしたくありませんが……政主様、では行ってまいります」
「君は、外で少しでも多くの妖鬼を討ってくれ、俺の右手の代わりに」
「政主様。十年前からずっと、私は後悔してきました。知らせを聞いて戻った時にはすべてが終わっていた。先代を、そして
「君の思っていることは痛いほど分かるよ、朱雀。それでもね、全てが変わってしまった中で、俺は、お前にだけは変わらないでほしかったんだ」
十年前と比べて、見た目も振る舞いも、なにもかもが変わってしまった
「嗚呼、
「……では、こちらを頼むぞ、
まるで十年前のような口調で
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