17 好きな漫画④「ワールドトリガー」
「ワールドトリガー」は、2013年から週刊少年ジャンプに、そして現在はジャンプスクエアに舞台を移して連載中の、葦原大介(あしはらだいすけ)先生による作品です。
既にサード・シーズンまでアニメ化もされているメジャーな作品ですが、2016年から2018年までの約2年間、体調不良により連載を長期休載していました。
休載期間中、ジャンプで詳細が発表されることはなかったので、相当困難な病気を患っているのではないかと思われ、もしかしたら二度と続きを読むことはできないかも知れないとも思っていました。
ですから2018年に復帰された際には、とても嬉しかったのですが、作者ご本人の言により明らかとなった病名が、自分の患っているのと同じものと知り、大変驚きました。
ご病気は寛解したわけではないため、現在も闘病しながらの執筆となっており、休載することも多いのですが、無理をなさらずに続けていただきたいと思います。
さて、この「ワールドトリガー」ですが、画期的なSF作品ということができるでしょう。
「宇宙人」ではなく、いわゆる「異世界人(作中では『近界民(ネイバー)』と表現)」との戦闘を描いたこの作品。まず画期的なのは、魔法などの力を借りずに「死なずに何度も戦える」システムを考え出したことです。
誰もが持っている「トリオン」という、いわば体内エネルギーを元に、トリオン体という戦闘体と生身の肉体を交換して戦うんです。
だから手足をちょん切られても痛みなく戦えるけれども、首を切られたりトリオン供給機関を破壊されたりすると、自動的に防衛機関本部に飛ばされて元の肉体に戻るんです。
そうなるとトリオンが回復するまでの間は戦闘できないんですが、死ぬことなく次も戦えるというわけなんです。
ストーリーは、三雲修(みくもおさむ)という少年が「ボーダー」という防衛機関に入隊し、異世界からやって来た空閑遊真(くが ゆうま※父親は日本人)と幼馴染の雨取千佳(あまとりちか)をボーダーに誘って、戦闘チームを結成します。
異世界にさらわれた雨取の友達らを助けに行くことを目標に、彼等は訓練を重ねますが、異世界人が大規模侵攻をしてきたために、その戦闘で三雲は瀕死の重傷を負ってしまいます(このとき、わけあって三雲はトリオン体から生身の体に戻っていました)。
怪我から回復した三雲は、遠征選抜隊に選ばれるべく、空閑・雨取とともに防衛機関内でのランク戦に臨みます。
部隊の隊長は三雲が務めるんですが、実は三雲はトリオン量が少ないために、非常に弱いんです。というのも、所持する武器や盾(シールド)はトリオンによって生成されるので、トリオン量が少ないと威力が小さかったり、壊れやすかったりするんです。
これは普通のスポーツ漫画などと違って、訓練を積み重ねれば強くなるというものではないので、相当なハンディキャップになります。この状態からどうやって一人前の戦士をめざすのか、この設定も画期的と感じます。
もう一つ私が画期的だと思ったことは、ストーリーがだいぶ進んでからになるのですが、後に三雲の隊に加わることになる、ヒュースという異世界人が言ったことです。
彼は表向きカナダ人ということになっているのですが、日本語を流ちょうに話します。その理由を、「話し手と聞き手のどちらかがトリオン体なら、音声にトリオンを乗せて情報をやりとりすることによって言葉が通じる」と言ったのです。
その昔「猿の惑星」という映画がありました(後にリメイクされましたが、そっちの方は観ていません)。
猿が支配する惑星に不時着した宇宙船の乗組員が、自由の女神像を見つけて「ここは地球だったんだ」と呆然とするシーンがエンディングだったので、かなりしらけた記憶があります。
今までさんざん英語で猿たちと話をしてきたのに、そんなことに気づかなかったのか、と呆れたんです。まあ、映画化に当たって色々と端折ったんでしょうが。
ヒュースの説明で、大規模侵攻の時になぜ異世界人が日本語を話せたのか、納得がいきました。こういう説明は、往々にしてされないことが多いので、細部までよく考えられていると感心したものです。
この漫画で一つだけ心配なことがあります。それは現在連載中のストーリーのことです。詳しい説明は省きますが、今、ちょっと回り道しているように見受けられるんです。
前述のとおり、葦原先生は厄介な病気を抱えていらっしゃるので、時々休載になったりします。回り道している余裕はないはずなので、何か狙いがあるのだろうと信じたいのですが、第4シーズンのアニメ化にも影響を与えそうで、心配です。
●本日の猫
保健所から引き取ったミミは、私が買い物から帰ると犬みたいにうれションします。ちゃんと猫トイレにしてくれるので、問題はないんですが。
ミミの鳴き声はおかしくて、普通に「ニャー」と鳴くのを聞いたことがありません。「フニャ、フニャ」とか、「プルルル」とか、どうも変です。
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