18 最初のハードSF体験「謎の円盤UFO」
例えば「鉄腕アトム」や「マグマ大使」をSFと分類するのであれば、私にとってはそっちの体験の方が早いのですが、「ハードSF」となると、テレビドラマ「謎の円盤UFO」になることは間違いありません。
とはいえ、「サンダーバード」という作品にも熱中したので、迷いがないわけでもありません。
しかし「サンダーバード」は、スーパーマリオネーションといえば聞こえは良いですが、とどのつまり人形劇でしたので、ハードSFドラマとは認めがたいところがあります。
「サンダーバード」に登場するメカは、かなり魅力的でした。個人的にはサンダーバード2号(輸送機)と3号(宇宙空間を飛ぶ原子力ロケット)が好きでした。
しかし「謎の円盤UFO」にはそれらを凌ぐメカが登場し、なおかつ実写による人間ドラマを挟みながら、宇宙からやってくるUFO(当時はユーフォーではなくユー・エフ・オーと発音しました)との戦いを描く、まさに超ハードSFでした。
1970年の放送当時、私は小学生でしたが、第1話放送時から夢中になり、風邪をひいて熱が出ているにも関わらず、観させてくれと親に懇願したほどでした。
当時はDVD・ブルーレイはおろか、家庭用ビデオデッキさえ発売されていませんでしたから、どうしても観ないわけにはいかなかったのです。
まずメカ部門についてですが、
・第一次防衛網・月面基地「ムーンベース」から発進するミサイル迎撃機「インターセプター」
・第一次防衛網を突破して地球に飛来したUFOを撃墜するため、潜水艦「スカイダイバー」の艦首に連結していて水中から発進する戦闘機「スカイワン」
・地球に着陸したUFOを撃退する高機能戦車「シャドーモービル」
・月と地球を往復する輸送機「ルナキャリア」
・偵察衛星「シド(SID)」
とまあ、かっこいいのが盛りだくさんで、当時発売されたプラモデルを買いまくりました。
しかしそれ以上にかっこ良かったのが、地球防衛秘密組織SHADO(シャドー)のエド・ストレイカー最高司令官でした。
SHADOの地球基地は、イギリスのとある映画会社(ダミー会社)の地下にあり、ストレイカーは表向きその会社の専務として行動します。
しかし偵察衛星シドからUFO接近の報が入ると、ただちに地下秘密基地で陣頭指揮を取るばかりか、ときには月面基地ムーンベースを訪れて隊員を激励したり、潜水艦スカイダイバーに乗り組んで現場で指揮を取ったりと、八面六臂の活躍ぶりでした。
ところが悲しいことに、家族にさえSHADOの存在を秘密にしなければならなかった彼は、最愛の息子を失い、妻にも離婚されてしまいます。
組織のために全てを犠牲にして耐えなければならないストレイカー最高司令官が、子ども心に無性にかっこよく思えたものでした。
この作品に出会ったことによって、こういう小説を書きたいと思ったことを、今でも覚えています。
●本日の猫
こちらは今日は雪です。昨夜から急に積雪になり、今冬初めて除雪車が道路を除雪して行きました。
朝、玄関先に寄せられたその雪を、今度は人の手でどかさなければなりません。
そんなこととはつゆ知らず、猫たちはストーブの前、ホットカーペットの上、猫用こたつの中でのんびりと過ごしています。生まれ変わったら、猫になって人に飼われてみたいものです。
除雪をしている私を窓から眺めて、チャチャが「朝ご飯まだ?」と言っているようです。
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