29 残念な映画とその設定


 クリスマス前の大雪が嘘のように、最近は雨がしとしとと降っています。寒さも『非常に』とつくほどのものではなく、一段落といった感じです。寒いことは寒いのですが。


 知人に「電気毛布を使っている」と言ったら、「羽毛布団にすればいいのに。暖かいよ」と言われました。


 昭和に生きた私から見れば、『羽毛布団』は超高級品でした。今ネットで調べてみたら、随分安くなっているんですね。


 でも、猫と一緒に暮らしている身で羽毛布団なんか買ったら、どういうことになるのか想像できちゃいます。やはり私には、縁がない代物なんでしょう。



 さて私は今、『設定』に悪戦苦闘しています。「裏世界の一部では名の通った名探偵」、そういう設定にしてしまったがために、なんの知識もない苦手分野を舞台にしなければならなくなったからです。


 裏世界、あるいは裏社会といったら、当然『893』の世界を思い浮かべますよね。でも私は、そういうドラマや映画を一つも観たことがないんです。


 暴力団抗争を扱った任侠映画やドラマなどには、全く興味がありません。


 例えばスカパー!でよく放送されている『日本統一』というドラマについて調べてみました。ほほう、もう54本も作られていて、1月には55本目が公開されるのか。そのほかに『外伝』なんかもあるのか。


 で、何で彼等の抗争が日本の統一に繋がるの?


 まあ、こんな程度のオツムしかないのです。ああ、何であんな設定にしてしまったんだろう。


 でも、『ザ・ビギニング』というストーリーを作ろうとしたら、任侠社会の設定は避けて通れないわけです。



 そこで話は飛びますが(← よく飛ぶな)、昨年公開された映画「るろうに剣心最終章 The Beginning」って、制作する必要があったんですかね?


 以下、映画のネタバレを含みます。


 今年スカパー!で放送されたのを観たんですが(その後地上波でも今年10月に放送)、「The Final」であらかたやったエピソードに、オリジナル脚本を加えて作ったもののようです。


 映画化に当たって原作を改変することを否定はしませんが、私の記憶では「勝ったぞ~」というような戦勝雄叫びを聞いて、鳥羽伏見の戦いの現場にいた緋村剣心が、新しい時代の到来を知り、刀を捨てて去って行く、というラストシーンだったような気がします。


 この映画の冗長さにいいかげん嫌気がさし、途中から『ながら見』していたので、違っていたらごめんなさい。


 でももしそういうラストシーンだったとしたら、たかが一つの戦いの勝敗で、急に時代が変わるはずがありません。剣心が刀を捨てるのは、明らかに早すぎます。


 それに、逆刃刀(さかばとう)はどうしたんだ?剣心は刀を捨て、逆刃刀に代えたはず。逆刃刀を作る依頼もせずに、刀を捨てるはずがない。


 あと、雪代巴を家ごと火葬しっぱなしで去らないで、ちゃんと弔えよ。愛した人なんだろう?


 映画『るろうに剣心』シリーズが嫌いなわけではありません。漫画を実写化した映画の中では、成功した方だと思います。まあ、第5作まで作られたのですから、推して知るべしです。


 それでも、脚本の随所におかしな点があることは否めません。ですが、そこにもあえて目をつぶりましょう。


 もう一度いいますが、原作を改編することを否定はしません。実写化に当たってリアリティを追求するならば、むしろ変えなければならないことの方が多いかも知れません。


 ですが、最低限変えてはならない部分があるはずです。その一つが、『飛天御剣流奥義・天翔龍閃(ひてんみつるぎりゅうおうぎ・あまかけるりゅうのひらめき)』です。


 この技は、原作では『抜刀術』です。鞘から抜刀した一撃で決まる技です(決まらなかった場合でも、勢いで一回転した後の二撃目で決まります)。


 映画では、抜刀した後に散々チャンチャンバラバラ打ち合った後で、左足を踏み込んで決める技になっていました。これではどこからどこまでが『奥義』なのかわかりません。


 そもそもの最初から間違っている、と言った方が良いでしょう。映画では、フェンシングのようにスピーディに打ち合うことを売りにしてしまっていました。そこに『日本刀』の重さは全く感じられません。


 だから、逆刃刀が当たっているのに相手はノーダメージだったりします。切ることはできなくても、当たったら骨が折れてもおかしくないほどの威力のはずです。


 『剣客商売』のような、重厚な殺陣を観たかったです。この監督にしてしまった時点で、それは無理だったわけですが・・・。




●本日の猫


 最近疲れていて、目がよく見えません。なかなか読書できない日もあります。

 猫たちに朝ご飯をあげて、自分もご飯を食べて、眠くなってしまいました。


 少し寝ようとしたとき、チロルが悪さを始めました。やめなさいと言ってもやめてくれないパターンです。何ヶ月ぶりだろう、前にこうだったのは、まだ冷房していた頃じゃないかな?


 こうなると寝かせてくれないので、キャリーバッグに閉じ込めるしかありませんが、逃げ回って捕まえることができません。


 そのうちに落ち着いてくれましたが、余計に疲れた一日でした。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る