101 漫画『沈黙の艦隊』実写映画化!?


 うわっ、『沈黙の艦隊』が実写映画化されるんだ? 9月29日劇場公開? マジですか?


 『沈黙の艦隊』は、好きな漫画として紹介すべきか考えたことがある漫画です。


 一応基本資料をおさらいしますと、この漫画は講談社の漫画雑誌「モーニング」に1988年から1996年まで連載された、かわぐちかいじ先生による作品です。


 1隻の原子力潜水艦が「独立戦闘国家やまと」であると宣言し、日本を友好国として、当時のソ連の原潜やアメリカの第七艦隊などと戦います。あくまでも専守防衛の戦いなのが、日本的です。


 この漫画は1990年に第14回講談社漫画賞の一般部門を受賞しています。当時相当な人気でして、私も全巻買いそろえましたし、アニメ化もされました。


 ただ、「好きな漫画」として紹介するには、ちょっと古いかなと思っていました。どういうところが古いのかというと、最大のポイントは「日米関係」についての描写です。


 現在の日米関係は、とても良好ですよね。アメリカは人種多様の国なので、一概には言えないかも知れませんが、少なくとも一般人レベルでは日本に興味を持ち、日本の文化を尊重してくれる人が多くなっているように感じます。


 この漫画の連載当時は、アメリカではまだ日本人に対して「ジャップ」という蔑称べっしょうが、アンダーグラウンドでは結構使われていた時代ですし、この漫画では大統領が「日本再占領計画」などという物騒な思想を持つ人物に描かれています。


 日本でも、アメリカを全面的には信用できない雰囲気があり、そういう計画があってもおかしくないと思われていたのではないでしょうか。


 ですから、日本の友好国である「独立戦闘国家やまと」とアメリカの潜水艦が戦うというストーリーが、現代において実写映画化されるというのは、大変な驚きでした。


 たぶん脚本は、現在の状況に合わせて若干変えるんだろうなとは思いますが、それにしてもねえ・・・。


 俳優の大沢たかおさんが主役の海江田艦長を演じるというのも・・・大沢さんはプロデューサーも兼ねていて、並々ならぬ意気込みのようですが、予告映像を見ても海江田のイメージとはちょっと違う気がするんですよね。


 海江田艦長というのは、常に沈着冷静で、強い信念を持つカリスマ的な存在でありながら、外見上はいつもひょうひょうとしている印象です。


 しかし予告映像の海江田は不気味な感じで、そうではないのに不敵な笑みを浮かべているようにも見えてしまいます。


 海江田のライバル・深町役の玉木宏さんんも、なんか違うような気がします。深町は大胆不敵・豪放磊落ごうほうらいらくなイメージですが、玉木さんはどちらかというと神経質なイメージです。


 深町が艦長を務める潜水艦たつなみの副長・速水はやみ役が、女性の水川あさみさんなのには驚きました。速水は漫画で初登場した時は確かに「女性?」という感じだったのですが、その後はほぼずっと男に見えたので、「優男やさおとこ」だと思っていたからです。


 映画の予告編のビジュアルでは、完全に女性にしか見えません(当たり前ですが)。

大沢プロデューサーは、速水を女性と思ったのでしょうか? それとも現代に合わせてそうしたのでしょうか?


 ・・・ここで漫画全36巻のうち最後4巻をパラパラ見してみたんですが、その熱量に胸が熱くなり、涙が出てきました。


 最後の方は戦闘漫画というより政治漫画なんですが、海江田が国連臨時総会で行う演説に感動してしまいます。


 映画では上映時間の関係で、序盤の戦闘シーンだけになると思いますが、どういうものになるのか、やはり気になりますね。




●本日の猫


 いつも私の頭をポンポンと叩くドンマイが、珍しく私の手を舐めました。私をおちょくるだけじゃなくて、親愛の情もあるのかな?



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