鑑定眼鏡の効果は如何に その2
そして、三つ目の特徴がグレシアスというゲームで一番の肝となってくる要素。
それは、その者の潜在能力値の上限が上がる回数を示す、『突破』という項目と、突破時にどれ程潜在能力値の上限が上昇するか、又は上達スピードの速さを表す『成長』という項目である。
何故この二つが重要かというと、突破できる回数が多いほど、最終的に到達できる潜在能力値の上限が高いし、成長値のランクが高いと、その人物が突破した時に上昇する潜在能力値の上り幅が増えるからだ。
それが顕著に表れている例が、グレシアスに出てくる人権キャラやネームドキャラといった、ゲームではお馴染みの強キャラ達の存在だ。
そいつらは何故、強キャラと言う風に呼ばれているか。
それは……突破と成長の能力値が高いからだ(このゲームに限っての話)。
まぁ、元々の能力値が高い奴も一定数いるにはいるが、そいつらは少数派だ。
そりゃ、突破と成長のレアリティのグレードが一つ高いだけで、想像も絶する程のステータスの開きが出る。なんてこともあるぐらいだからな仕方ないよな。
また、成長のランクが高い者等は人並みの訓練などをしていても、他の者よりもステータスが上昇しやすい事から、組織で優遇されるのも必然だろう。
俺はグレシアスというゲームに青春……いや、人生を捧げてきたレベルにはプレーしてきたが、その中で一番大変だった事は、突破上限回数が多い、尚且つ成長ランクが高いキャラを見つけることだった。
キャラの大半は突破の上限が1回限り。
2回なんてキャラは滅多に見つからないし、3回なんてキャラに至っては一つの都市をくまなく探してもいない。なんて時がザラにあるレベルだ。何だったら、序盤で理想のキャラに出会えず、プレイを断念した事もザラにある。
そんな極悪鬼畜設定の強キャラ探しを上手く乗り越え、突破回数が多いキャラに出会えたとしよう。
画面の前で何十時間、何百時間も張り込んで、極めて低い確率を乗り越えていったとしても、このゲームには第二の関門、『成長』って項目もあるんだ……
まったく……やってられないよな。
しかも、成長値はD~SSまで存在するし……
大半はD~Cが占め、Aで希少。Sなんていたら速攻でスカウトするレベルだ。
……うん。
言いたいことは分かる。
限界突破回数が3回以上、尚且つ成長値がA以上なんてキャラ何処にいるんだ? だろ?
皆も分かってきた所だろう。グレシアスが鬼畜ゲーと言われてきた所以をさ……
まぁまぁ、そんな湿っぽい話は置いといて、俺の今後の方針を発表しよう。
ズバリ! 限界突破上限が2回以上かつ、成長ランクがB以上の奴を見つけていくこと!
何なに?
目標が低いんじゃないかって?
そこは勘弁してくれ。今回はやり直しが効かない、一回限りの鬼畜設定なんだ。ここで多くの時間を取られる訳にはいかないし、ここら辺が妥協ラインだと思う。
でも、この前段階でどれだけ優れている仲間を集められるかによって、この先の攻略難易度が変わるから、気合を入れていきたいとは思っている。
補足として鑑定眼鏡の上級と普通の効果を説明しよう。
まずは普通鑑定眼鏡。こいつは通称ごみくずアイテム。
ホントに使えなくて、出来る事と言ったら相手の名前が分かるだけ。エルドのステータス欄を利用すると…
名前 :エルド
こう見えるだけだ。
こんなアイテムを買うんだったら、もう少し金を出して上級鑑定眼鏡を買ったほうが良い。
次に上級鑑定眼鏡。
こいつは相手の名前が分かる事と、突破回数と成長、潜在能力値以外の項目が見られる。つまり…
名前 :エルド
武力 :48
統率 :32
剣術 :32
槍術 :48
騎術 :17
弓術 :06
盾術 :12
体術 :11
隠術 :06
智力 :26
政治 :22
魅力 :34
忠誠 :82
野望 :36
こう見えるってことだ。
まぁ、ステータスが見れるって言っても現在のステータスしか見られないから、序盤の金が無い時や、最上級が見つからないって時だけにしか使わない。
これも前半でしか使われないアイテムだった。
以上が、鑑定眼鏡の上級と普通の効果だ。
基本的にプレイヤーは最上級の鑑定眼鏡しか使わないから、皆も初めてグレシアスをプレイするときは最上級を買うようにするんだぞ!
そんなこんなで、アルスはエルドのステータスをメモすると、次はモーリーの方へと振り向き、同じように鑑定を始めた。
しかし、モーリーもエルドと大差ないステータスであり、アルスは見るからに気落ちした様子で。
「うん、そうだよな。そんな都合よくいい人材がいるわけないよな」
と呟きながら、一応モーリーのステータスも記録した。
やっぱり駄目だったか……
アルスは二人に申し訳なく感じながらも心の中で残念がる。
まぁいい……今日のメインはこれからだからな!
「それじゃあ二人とも、町へ行こうか」
俺の今日の予定は、町へと出かけること!
アルスは気を取り直して、二人に声をかける。
こうしてアルスは二人を引き連れ、町へと向かって歩き出したのだった。
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