決意と心変わり その2
まずはエバンからっと。
名前 :エバン
武力 :79/90
統率 :55/80
剣術 :79/90
槍術 :11/71
騎術 :03/81
弓術 :03/80
盾術 :35/86
体術 :46/81
隠術 :24/75
智力 :71/89
政治 :44/90
魅力 :55/93
忠誠 :110
野望 :12
突破 :1/3
成長 :S
もう少しで剣術のステータスが大台の80に乗るといった所まで来たな。
アルスは剣術のステータスを最初に確認し、ゆっくりと下の項目へと移っていく。
他に大きくステータスが変わった点はない。
もしかしたら、突破回数が増えているかもと淡い期待を抱いていたけど、流石に難しかったか。
突破の条件は本人に何かした大きな転機が訪れるか、もうそれ以上にステータスが成長しない時などに起こる事が一般的。
裏ワザとして、特定アイテムを使えばその限りでは無いが、そんなアイテムが簡単に手に入るわけがない。
順調に成長してくれているし、気長に待つとしよう。
そしてアルスは、ミネルヴァへと移る。
鑑定!
名前 :ミネルヴァ・バンデスト
武力 :93/94
統率 :93/95
剣術 :81/82
槍術 :93/94
騎術 :86/91
弓術 :21/21
盾術 :15/16
体術 :80/83
隠術 :06/06
智力 :90/93
政治 :91/93
魅力 :90/93
忠誠 :95
野望 :82
突破 :2/3
成長 :S
変わっている所は……見られない? あっ、統率の値が少しだけ上昇してる。
そうは言っても、1だけだけど。
ミネルヴァさんのステータスは既に完成しきっていると言っても過言では無いスペック。
これ以上、ステータスを伸ばすには突破をしなくてはならない。
けど、前にも言った通り、突破という行為はそう易々と出来るものではない。
しかも、ミネルヴァさんは既に2回。突破をしており、次にする突破で最後。
最後の突破はステータスの上り幅も今までにない、上がり方をするが、それと同時に突破する条件が非常に難しいというデメリットも持っている。
いつかは突破回数マックスに至って欲しいけど、今すぐには難しそうだ。
アルスは二人を鑑定し終えると、近くへと歩いていく。
「どうかしたかい?」
エバンと話し合いの途中であったミネルヴァが、近づいてくるアルスに気が付き、声をかける。
「ニーナを知りません?」
「……さぁ、何処かで休んでるんじゃ「ニーナなら、裏庭で特訓を……」」
「こらエバン!」
ミネルヴァは自然な表情で居場所は分からないと言うが、エバンは心当たりがあるようでポロっと言葉を漏らす。すると、ミネルヴァは慌ててエバンを睨みつける。
一体どうしたんだ?
ミネルヴァはおでこに手を当て、エバンはバツが悪そうにその場に佇んでいる。
……もしや。
二人を見て、何か勘付いた様子のアルス。
ニーナが裏庭で特訓。口を滑らせてしまったエバン。そして、それを咎めたミネルヴァさん。
ちょっと前には俺が死にかけた、事件もあったし……
ピースの欠片を当てはめていったアルスは一つの事にたどり着く。
「もしかしてだけどさ……、ニーナ。俺に内緒で特訓に励んでいる途中だったり……する?」
ほとんどエバンが言ってしまったようなものではあるが、こうだろうと考えた事を聞く。
すると、ミネルヴァは小さくため息をつき。
「そこまで言われちゃ、隠していたってどうしようもないね。そうだよ、ほぼ正解さ」
「やっぱり……」
アルスはジト目でエバンを見る。
「強くなってからアルスに打ち明けるはずだっただろうに……すぐボロを出すから」
「面目ありません……」
普通にしてればとても心強いのに、たまにポンコツになるんだよな。
戦闘の事に関しては絶大な信頼を置いているアルス。しかし、それ以外ではちょっと注意が必要だなと感じている模様。
「それで、ニーナは何処に……」
「案内してあげる。こっちさ」
ボロボロの兵たちに今一度、労いの言葉をかけ、訓練場を後にする三人。
そして、ミネルヴァを先頭に、アルザニクス家の裏庭へと足を進める。
アルザニクス家には、メインの庭と、裏庭の二種類の庭がある。
メインの庭は外部の訪問者にも見られるため、目につくところに明るい色の花を咲かせる、木花が多く植えられている。
一方、裏庭には、アルザニクス家の者達はもちろん、使用人たちもリラックスして気を落ち着かせるためのウッドデッキや、噴水。落ち着いた色の木の椅子等が多く設置されている。そして、その奥を真っすぐ行くと、森へと繋がっており、森林浴をする事も可能だ。
「ここら辺のはずなんだけどね……」
裏庭の奥にある森へと進み、辺りを見渡しながら歩く。
三人の足音が静かに響き、耳に届く音は木々の葉がこすれる音だけ。
裏庭の奥にこんな場所が広がっていたのか。
長い間、屋敷に住んでいたアルスでさえ訪れることが無かった場所。
近くにあるものほど気づかないとはよく言われるが……
五感全部で癒しを味わいながら、どんどん奥へと進んでいく。
「結構、暗くなってきたね」
「そうですね。足元にはお気を付けください」
木々がうっそうと生い茂り始め、天から届いていた光も少なくなってきた時。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます