アルスの真実 その3
「この他にも色々なアイテムがあるんですが、それらも書き出すと膨大な量になってしまうので、本当に必要なモノピックアップして書き出しました。そして、今回メインで探していくのは……」
アルスは紙に目を通し、一枚の紙を選んで取り出した。
「この聖、魔武器ってやつですね」
アルスが選んだ紙には色々な武器が描かれており、その中でも大きな項目にでかでかと聖武器と魔武器の説明が書かれていた。
*聖武器とは、魔の力を払う事が出来る唯一の武器。また、使用者とその仲間達に力を与えるのだが、相応の代償を支払わなければならず、大抵は使用者の寿命を対価とする為、使用者は短命が多い。
*魔武器とは、聖の力を払う事が出来る唯一の武器。また、使用者に絶大な力を与えるのだが、相応の代償を支払わなければならず、大抵は使用者の感情や五感を対価とする為、使用しすぎると、廃人になってしまう。
「聞いたことあります……、選ばれし者だけが扱えるとされている武器たちの事ですよね? もし、選ばれなかったら死に至ると言われている……」
エバンが静かに口を開いた。
「うん? この武器達は誰でも使えるよ? ただ、その武器の適性が無いと代償が多くなっちゃうから、死に至りやすくなるってだけでね」
アルスは一つ一つ説明していく。
「武器の適性から話すよ。まぁ、適正って言っても、ステータスが高ければ高いほど相性が良いって話になるんだけど、例えば聖剣や魔剣を使う時は、剣術のステータスが高ければ高いほど代償は少なくなるし、聖弓や魔弓を使う時は、弓術のステータスが高ければ高いほど代償が少なくなるって仕組みになってるんだ」
「なるほど……、確かに選ばれし者たちはステータスが高い人、つまり強者だったと考えれば辻褄は合いますね……」
アルスの話を聞いて、エバンが勝手に納得していると。
「……アルスは本当にこの武器達を使おうと思ってるの?」
突然ニーナが口を開く。
「……私も聞きたいね」
ミネルヴァも肯定する。
「アルスは人を大事にする人……、仲間が命を削る武器を使って傷つくのを一番嫌うのはアルス……」
ニーナはアルスを心配そうに見ていると。
「あっ、ごめん。その話をするの忘れてたね。一見、聖、魔武器はメリットとデメリット両方あると思われるんだけど、聖、魔武器はある事をすると、そのデメリットの効果を打ち消すことが出来るんだ」
アルスは説明するのを忘れていたという表情をして、急いで説明をし始めた。
「ってことは、聖、魔武器を使う上で必要な寿命、感情や五感を対価にする必要は無いってことかい!?」
ミネルヴァが取り乱した様子でアルスの肩を掴む。
「み、ミネルヴァさん!?」「ミネルヴァさん! アルス様が」
「あっ、悪いアルス……」
ミネルヴァは正気を取り戻したかのように、アルスから手を放し、席に座る。
「つ……、続けますね」
アルスは聖、魔武器の説明が書いてある紙を突然裏返しにして、ある一点を指さした。
「……聖武器は使用時にポーションを飲むと、寿命を対価とするデメリットが消えて、魔武器は使用時に状態異常ポーションを飲むと、感情や五感を対価とするデメリットが消える……? これはまた凄い情報ですね……」
エバンは驚きを通り越して呆れており、ニーナは無表情。ミネルヴァは複雑そうな顔をしていた。
「となると、上手く使えばメリットしかないという訳ですか……」
「そういうこと。でもね、武器の性能をMAXまで引き出す時や、それ以上の力を引き出そうとすると、ポーションの効果を上回っちゃうから気を付けなくちゃいけないよ」
アルスは注意を付け加える。
「良く分かったよ……」
ミネルヴァが呟く。
アルスはそんなミネルヴァが心配になりつつも、この場を一旦お開きにする為。
「ってことで、ここに書いてあるアイテムや武器を見つけたら俺に教えてほしい」
と、皆に声をかけ、王都裏オークションに向けての事前予習を終えたのだった。
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