第72話
(今日は疲れたなぁ)
徹夜明けでオペが入ってしまい、帰宅時間がかなり過ぎていた。
外はかなりの大雨で、傘をさしても意味は無いぐらい降っていた。
帰ったらシャワー浴びて早く横になりたいなぁ
そんな事を考えながら足早に歩いていると、道の隅の処に、まるでゴミの様に投げ捨てられた男性が項垂れていた。
喧嘩でもしたのだろうか。
顔は赤く膨れていて服もボロボロになっていた。
若葉はそっと声をかけるが何も反応がない。
額に手を当ててみると、かなり熱があった。
「大変。今から救急車を呼びますから」
慌てる若葉に意識が少しあったのか、彼は頭を横に振って
「呼ぶな。病院は行かない。」
と、息を吐きながら返事をしてきた。
どうしよう。このまま放って置く訳にはいかない。。
彼女は意を決して傘を下に置き、その男性を背負うと自分のマンションに連れて帰った。
自宅に着いた時には2人ともほぼずぶ濡れ状態になっていた。
若葉は自分のベッドに彼を寝かせ、服を脱がせながら体を拭きだした。
ワイシャツを脱ぎだして、ハッとしてしまった。
肩から背中、お腹にこれでもかという程龍の刺青が彫ってあったのだ。
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