第17話
2人は互いに体を寄せ合い、直治は紗代子の胸元に顔を埋めた。
紗代子のパジャマのボタンが外され、まだこれから発達するであろう乳房に唇を当てた。
紗代子の胸の高鳴りが激しくなり悶えた。
彼女は直治にされるがままだった。
体が感じている事を悟られたくない気持ちと、体勢を動かして直治の体に負担をかけないようにしていたからだった。
「綺麗だよ、紗代子」
直治は囁いた。
男性経験が初めての紗代子にとって、直治の囁きも行動も全てが新鮮だった。
恥ずかしさで一杯だった。
「直治さん、私とても恥ずかしい。。私初めてで。。」
紗代子は小さな声で呟いた。
直治は紗代子の胸元から彼女の顔に近づくと、愛おしそうに抱きしめて
「素敵だよ、お前は私のものだ。愛している」
唇を重ねた。
(時間が止まってくれたらいいのに。。私も愛しています。)
紗代子の心はそう言っていた。
紗代子はふと部屋のカーテンが明るくなるのを感じた。
2人は体を絡ませ、いつの間にか寝入っていたようだった。
紗代子はそっと直治の体から離れ、ベッドから降りようとしたが、直治の腕が紗代子を離さなかった。
「起きていたの?直治さん」
紗代子は直治を見た。
「さっき目が覚めた。お前の寝顔を見ていたんだ」
直治はまた紗代子をベッドに引き戻した。
「紗代子、今日私は組に帰るが、お前が私の元へ来るのを待っている。
お前は私だけのものだ。忘れるな」
直治の真面目な顔を見て紗代子はそっと頷いた。
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