第39話
雄也は、何度も携帯にかかって来ていた直治のメッセージを聞いていた。
「返事がないのは何かあったのか?大丈夫なのか?」
直治は雄也の事を心配していた。
自分が紗代子を好きになってしまった事など全く疑ってもいない。
雄也は、そんな直治が腹立たしかった。
いつもそうだ。
直治は疑う事をしない。
特に自分には安心して頼ってくる。
私が紗代子を抱きしめたり、何も無かったとはいえ、一夜を共にしたと知ったらどう思うのだろうか?
怒り狂うのだろうか?
雄也が紗代子を自分の方に振り向かせようと思ったのは、直治へのちょっとした反発心があったからだった。
ただ、自分も直治の様に紗代子を好きになってしまったという誤算だけはあったが。。
紗代子は今でも直治を思っている。
私が紗代子に夢中になればなるほど、紗代子は直治への想いを強くしてしまう。
それが雄也の気持ちに火をつけてしまった。
直治が憎い。
雄也は、直治の携帯にメッセージを入れた。
(私だ。連絡が出来なくて悪かった。
紗代子さんの様子を知らせに行く。)
雄也は直治のいる屋敷に向かっていた。
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