高梨うるはは少女である ~ヴァーチャル恋愛ゲームにドはまりした女子高校生の物語~ (うるはバーチャル!)

海乃 果(うみの はて)

第1話 高梨うるは16歳


 東京23区内にある北区


 そこに滝野川という地名がある。


 滝野川は閑静な住宅街となっているが公共交通機関も発達していて住みやすい場所だ。


 その滝野川の一角に高梨たかなしうるはが住んでいた。


 

 高梨うるははこの西暦2024年4月に通信制高校に入学した高校1年生だ。


 長い髪の毛は手入れをおこたらず清潔感ありつやつやとしている。枝毛なども一本も見つけられない。


 身長は155センチでやや小柄といったところか。


 全身的にやせてはいるが胸のふくらみや腰のくびれ、太ももについたお肉などは女性らしい成長を感じさせる。


 通信制高校のため週に1回の登校日以外は自宅で学習している。


 高校は赤羽にある。


 バスに乗って30分くらいと言ったところか。


 アルバイトOKだったので(もしOKでなくても)うるはは自宅近くのコンビニと居酒屋の両方でアルバイトをしていた。


 欲しい物があったのだ。


 4月に入学すると同時にアルバイトを始め4か月


 無駄遣いもせずに貯めたバイト代で買ったのはVRゲーム機だ。


 VR(ヴァーチャルリアリティー)まるでゲームの世界に入ったように360度の視界でゲームが繰り広げられる。


 男子用と女子用があり、うるはが買ったのは女子用である。


 新機種はゴーグルがかなり薄型になっており厚さは普通の眼鏡やサングラスと変わらない。そして専用のBluetooth(ブルートゥース)イヤホンも高音質で小型だ。


 女子用は白を基調きちょうに所々ピンク色のラインが入っている。


 そして、コントローラーは汎用の通常のゲーム用もあるが、うるはが購入したゲーム「TRUE LOVE 3」専用(女子用)コントローラーは可愛いくまの抱き枕型である。


 ゲームの操作はイヤホンマイクからの音声入力で行われ、補助的に抱き枕で操作する。


 うるはが中学の時にスマホで見かけて、そのキャラクターの男性に一目ぼれした。


 ただ、このゲームはそれまでのゲームとははっきりと違った。


 プレイヤーに切った爪を提出してもらい、そのDNAを解析かいせきしてそのプレイヤーに遺伝子的に適合する唯一のキャラクターが作成されると言うものだ。


 そして、最新AIを搭載とうさいされているこのゲームは恋愛だけでなく勉強や就職、人生相談といった面でもプレイヤーをサポートしてくれるという点も人気であった。

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