第5話 昼休み


 午前中の授業が終わるとうるはの所に女子が2人集まってくる。


 「来夢と何話してたの?」


 うるはがそちらを向く。


 【神無月夢奈かんなづきゆめな 女性 16歳 身長161㎝】


 来夢の双子の姉である。


 「別に、なんでもないよ」


 「なんでもなくないでしょー」そう嬉しそうに反対側から声がした。


 【小津源結愛おづみなもとゆあ 女性 16歳 身長153㎝】



 うるはは2人に手を引かれていつも昼食を取る中庭まで連行された。


 食事をするときにゴーグルをしていると2人にしかられるのでうるはは外している。


 「だいたいゲーム恋愛のどこがいいの?うるは」夢奈が少しだけ強い口調で問う。


 「んー・・・ゲームっていうか、ハクが好きだから」


 「は!?」


 「いや、うるはの気持ちもなんとなく分かるかなあ」結愛が助け舟を出す。


 「結愛まで?」


 「うちはゲームとかしないけど興味あればとことん進むのいいかなあって」


 「まあ、結愛は埼玉サッカーのU18代表だもんね」


 「うちの話はとりあえずいいけどさ」


 「でもさあ来夢ってもてそうじゃん、なんか私みたいなゲーマーとかどこがいいのかな?からかってるんじゃないの?」


 「あ、それは姉の私が弁護べんごするけど来夢は付き合った子はいたけど、経験はないよ」


 「え?夢奈そんなこと分かるの?」


 「だって私と2人でお風呂入ってるときとかめっちゃ見てくるんだよ?生まれてからずっと一緒なのに!それに中学の時の彼女とはたしかキスまでだって言ってたよ」


 「ちょっと夢奈!まだ一緒にお風呂入ってるの?」結愛がとがめるような羨ましいような声を出す。


 「体とか洗いっ子してるよー」


 「夢奈は私と来夢をくっつけようとしてるの?邪魔してるの?」


 「どっちもかなー」



 そんな話をしているうちに昼食が終わって午後の授業になった。

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