第4話 神無月来夢
教室に着くとクラスの半分くらいしか来ていなかった。ホームルームがないことはたくさんのクラスメイトに通知があったのだろう。
携帯端末としてはうるはのしているゴーグル型はまだ主流ではなく依然としてスマートフォンを使っている生徒が多かった。割合としては2対8くらいだろうか。
ゴーグル型の便利な機能として他人の顔を認識してくれる機能がある。
たまにしか会わない知人などを見るとサポート機能が働いて名前や年齢などのデータが表示される。
授業中は外さなくてはいけないが
教室の反対側に男の子が座ってスマートフォンをいじっている。
【
来夢と目が合う。と言ってもうるはの目はゴーグルで覆われていて外からは見れないが。
すると、来夢が歩いてうるはの方に近づいてくる。
え!!
うるははうろたえる。
来夢は髪の毛をウルフカットにしていてかっこいい、多分クラスの女子にもかなり人気があるはずだ。
「高梨」少し高い声だ。
「なに?」
「ゴーグル外して見てよ」
「やだ」
「お願い!」
「授業始まったら
「でも、そうすると高梨の方むけないじゃん」
「そんなに私の顔見たいの?」
「是非とも」
「しょうがないなあ」
ゴーグルを外すと、二重のぱっちりとした目が少し下の方を見ている。
「おお!8月からまともに見てなかった気がするけど、やっぱり美少女だよなあ」
「あ、ありがと」聞き取れないくらいの小さな声でうるはが返す。
周囲の目もあるのですぐにゴーグルをつけて目線をそらす。
来夢は自分の席に戻るとすぐにうるはにチャットを飛ばす。
”今度遊びに行かない?”
その文面を見ながら
”考えておく”とだけ返信した。
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