第23話 発見
「ハク!場所は?」すぐにうるはが詳細を尋ねる。
”池袋駅西口、ターゲットは駅方向から西口繁華街方面へ歩いて行ったダ!”
来夢が録画していた映像をスロー再生してくれる。
一斗だ。
まだ傷が治りきっていないのだろう、少し足を引きずっているようにも思える。
すぐに飛び出しかねないうるはを涼葉が抑える。
「今から行ってもすぐには会えないと思う、さっきは1人で歩いていたみたいだし遊びに来たわけじゃないと思う。あの服装からしたら一斗さんはホストのような仕事をしているんじゃないかな」
「それで?」うるははすぐにでも飛び出したいのを抑えられて少しイライラしてた。
「多分仕事が終わった後また同じルートを帰るはず、ただ、ホストの仕事しているとしたら帰りは終電終わっているかもしれないからタクシーとか送ってもらうとか?」
「お店一軒一軒尋ねてくる」そう言って飛び出そうとする。
「やめろって」来夢がうるはの腕を取る。
「・・・」
「1つはホストクラブ近くで張り込む、もう1つは明日以降もモニタリングをして出勤時間を確定させるか」
「何日も待てないよ、お兄ちゃんいたんだよ?あそこに?すぐに行きたい」
「涼葉と夢奈はここに残って指示を出してほしい、高梨と俺が池袋に行って張り込む」
田端の家から池袋までは30分あれば着くだろう。
一斗が終電で帰宅することも考えて11時台の山手線でうるはと来夢が池袋に向かうことにした。
「これ着ていってね」そう言って夢奈がヒートテックを2枚とタイツも渡してくれる。
お風呂で裸も見られてるしとうるははその場で上着を脱いでキャミソールの上からヒートテックを重ね着する。
ジーンズも脱ぎ、ショーツ姿を惜しみなく見せてタイツを履く。
時間になりうるはと来夢が玄関から出る。
外は夜風が刺すような冷たさだった。
来夢が左手を出してくれた。
その手を右手でぎゅっと握ると暖かさが伝わってくる。
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