第82話 イブのイブ
うるはが涼葉の家を出て高梨家に着いたのは夜7時ちょうどだった。
母親はまだ帰ってきていない。
陸翔はリビングでテレビゲームをしていた。
うるはが帰ってくると子犬のようにまとわりつく。
「ただいまー陸翔」ぎゅっと抱きしめる。
「冷たいよ、おねーちゃん」そう言いながらも顔は笑っている。
2人でお風呂に入って出てくるとこずえがキッチンで夕食を作ってくれていた。
今日は肉じゃがらしい。きゅうりの漬物も一緒にテーブルに並べられていた。
「明日は遅くなるからね?」肉じゃがを食べながらうるはが確認するようにこずえに話しかける。
「うーん、そうね、一斗さんにも連絡したから、でも25日は学校あるんだからね」
「はーい!!ママ大好き!」
食事が終わると陸翔と一緒にうるはの部屋に入る。
陸翔は勉強道具を持ってきて机で勉強をしている。勉強するなら自分の部屋ですればいいのにと思いながらゴーグルを着ける。
“うるは明日は夕方の5時に家に来てね!”夢奈
着けた瞬間夢奈からチャットが飛んできた。
“あ、うん・・・お兄ちゃんの車で行ってもいいのかな?”うるは
“いいよ!車止められるから、車で来てもらった方が都合いいかも”夢奈
“うん!お兄ちゃんにチャットしてみる”うるは
“お兄ちゃん、明日は5時に神無月君の家集合だけど車で迎えに来てくれるかな?”うるは
“仕事終わってからだからそっちに寄らないで部長の家に
あ・・そうか・・明日は平日か・・・。
“うん、分かった。お仕事のほうはどう?”うるは
“夢奈、お兄ちゃんは仕事終わってから行くって車で”うるは
“あ、そうなんだ、来夢がお昼までって言ってたから早いのかと思った”夢奈
“仕事は大変だよ!でも、まあどうにかなりそう!”一斗
“良かった!今日はもう家なの?”うるは
“いや、まだ帰りの電車”一斗
“あ、そうそう明日は遅くなってもいいって許可もらえたからね”うるは
“よかったじゃん!”夢奈
“うん!”うるは
“また下着になったらだめだよ”夢奈
“ならないよぉ”うるは
うるはは顔が真っ赤になっていた。
“お兄ちゃん気を付けて帰ってね!それと明日は遅くなってもいいってママが”
“了解だよ、うるは”一斗
“こんばんは!高梨”来夢
“あ、神無月君!こんばんは”
“明日は何時に来る?”来夢
”うーん夕方くらい?”うるは
“俺は会社昼までだからちょっと買い物でも行かない?”来夢
うるははそのチャットで一瞬固まった。
“いいよ!時間と場所は?”うるは
”午後2時に渋谷のハチ公前で”来夢
“うん!了解だよ!”うるは
チャットの返事をしているうちに日付が変わってしまった。
いつの間にか陸翔はうるはのベッドに入って寝てしまっている。
うるはも陸翔をぎゅっとしながら眠りについた。
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