第85話 2024年クリスマスイブ脱衣ゲーム
3人は手分けしてクリスマスの飾りつけをする。
ツリーと
飾りつけが終わるくらいにうるはのゴーグルに一斗から着信があった。
目の前まで来ているとのことだ。
うるはと夢奈が出迎えに行くと一斗は車の運転席に座って手を振っていた。
敷地内に車を止めて一斗が車から出てくる。
一斗は濃い青の上下のスーツにワイシャツとノーネクタイだった。助手席に置いてあったロングコートを手に持って出てくる。一斗の恰好を見てうるはと夢奈は目がハートになっている。
「これ、みんなに」
そう言ってワンホールのケーキをうるはに渡す。
「あ、これ高いやつじゃない?」うるはが喜ぶ。
一斗はいったんは離れの姉弟の家に入る。
今日はクリスマスイブの集まりだけではなかった。
夢奈が一斗の手を取って母屋の方に連れていく。
離れと母屋の間は30メートルくらいだろうか。
一斗は菓子折りまで持ってきている。
うるはと来夢も後ろからついていく。
母屋に着くと和服姿の凛とした女性が立っていた。
来夢と夢奈の母親だ。
父親は
今日は父親は留守のようだ。
「お母様、この人が
一斗はペコリと頭を下げる。
「夢奈ちゃんがお世話になっています」そう言って葵は少しだけ頭を下げる。
「夢奈さんとは真剣に付き合わせてもらっています」
「そうですか・・・」葵はちょっと首を傾ける。
「来夢君のお友達も高梨さん?」
「あ、はい、高梨うるはと言います一斗は兄です」急に水を向けられてうるはがびっくりする。
「そう、なら大丈夫ね、みんなで楽しんで帰ってくださいね」そう言うと葵は屋敷の奥へ消えた。
4人はまた離れに戻る。
「ふー」一斗がため息をつく。
「すごい、お母様があんな態度見せることほとんどないのよ?絶対一斗さんとうるは気に入られたと思う」
「うんうん、夢奈の言う通りだと思う」
「すごいぷれっしゃあーだったぁ」うるはがソファーに深く腰を下ろす。
その間に夢奈がピザとチキンをレンジで温め直してくれている。
準備が終わったところで4人は手に持ったクラッカーを鳴らす。
「メリークリスマス!!!」
テーブルには椅子が4つあり座り方が悩ましかったが来夢の隣にうるは、一斗の隣に夢奈が座って来夢の正面に夢奈うるはの正面に一斗が座ることにした。
まずはみんなでピザを食べる。
Lサイズのピザが2枚あるのでかなりの量だ。
飲み物はノンアルコールビールやコーラ、エナジードリンク、お茶などが7種類くらいあった。
ピザを食べながらもチキンの方にも手を伸ばす。
夢奈はちょいちょい一斗の体の方に体を預ける。一斗は背が高いこともあって夢奈の胸の谷間がはっきり分かる角度だ。
来夢もなにかとうるはの体をさわってくる。腰や肩や髪などに来夢のきれいな手が伸びてくる。
うるはと一斗は正面に座っているため時折目線が合う。
その度にうるはは赤い顔をしていた。
そしてボードゲームが取り出される。
ゲームは基本麻雀と同じだが点数の計算などは簡単で役の数は少ない。
そして「2024年クリスマスイブ脱衣ゲーム」と名前が付き勝負が始まる。
最初の持ち点は5万点
1万点減るごとに1枚なにか着ている物を脱ぐ。
もし誰かが全部脱いでしまったらそこでゲームは終了となる。
来夢と一斗は目つきが真剣だった。
神無月君もおにいちゃんも燃えてる・・・けど・・これって私かなり不利なような・・こういうの弱いし・・・。
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