第76話 充実


 課題が残ってたらクリスマスも楽しめないでしょと言って涼葉はうるはと一緒にレポートを終わらせてくれた。


 終わったのは夕方の6時くらいか。



 勉強が終わった2人のところにこずえがパーティーの残りだけどと言ってお菓子と果物を持ってきてくれた。


 2人で感謝して食べる。


 こずえは今日も泊まったらと言ったが涼葉は帰ってちょっとやりたいことがあると言って7時前にはうるはの家から帰っていった。




 4人かあ・・・


 神無月君はどう思うかな・・・。


 クリスマスイブだったら女の子と2人っきりになりたいと思うよね・・。


 夢奈はどうなんだろう・・・


 あ、それにお兄ちゃんはどうなんだろう・・毎年どうしてたんだろう・・ホストしてたんだからお店にいたのかな?



 「ハク」


 “なに?”


 「クリスマスイブを4人で過ごすのってどうなのかな?」


 “悪くはないんじゃないかな?参考になるようなものはないけど”


 「そうだよね、うん!そうだ!」




 “お兄ちゃん、神無月君、夢奈、今年のクリスマスイブは4人で集まらない?”うるは


 4人のグループチャットを作って一斉に送ってみた。


 “賛成!”夢奈


 “いいよー”来夢


 “問題なし”一斗


 少し時間がかかったが4人の意見は同じだった。


 もしかするとうるはだけでなくみんなも同じ悩みを持っていたのかもしれない。



 どこに集まるかと言うことだったが、やはり一斗と夢奈が付き合っていることを神無月家の人に分かってもらえるように神無月家に集まることにした。



 今日一日だけで色んなことが片付いた気がする。



 夕ご飯がまだだったのでこずえに呼ばれる。


 お赤飯とステーキだった。


 お父さんは珍しくウイスキーを飲んでいるらしい。


 「今度お兄ちゃんと飲んであげてよ!」


 「あ、そうだな・・・それもいいか」


 心なしか和樹の目がうるんでいるようにも見えた。



 ご飯を食べ終わると珍しくうるはとこずえでお風呂に入る。陸翔は和樹と入るらしい。


 「ねえママ」


 「なあに?」


 「クリスマスイブ、お兄ちゃんとお兄ちゃんの会社の人と会ってくるから少し遅くなってもいい?」


 「うーん」


 「ね!お願い」


 「そうねえ、私からお父さんにお願いしておくわ」


 「やった!ママ大好き」こずえの胸に顔をうずめる。


 「こらこら、何歳なの?」


 「それはこっちのセリフだよーママは40歳超えててそんなに体型がスリムでいいと思っているの?」


 「え?これでも学生の時より5キロは太ったのよ」


 「どれだけやせてたの?」


 「それより、進路とかどうなの?考えている?」


 「はーい、資料請求もしたんだよ」


 「そうなの?どうするの?」


 「保育士」


 「ちゃんと考えているのね」


 「かなあ」


 うるはとこずえが出ると和樹と陸翔が交代にお風呂に入っていった。

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