第73話 一斗を思いながら・・・


 6時くらいから引っ越し業者が荷物を運びだし送る側の作業は終わった。


 新しいマンションの方に荷物が届くのは月曜日以降とのことだった。



 鍵を閉めて地下に下りると一斗の車に3人で乗り込む。


 2人乗りだと思っていたが一応後部座席もあるようだ。


 うるはが後部座席に押し込まれ助手席には夢奈が座る。



 「夢奈ちゃんから送るから」そう言うと車に目的地を入力する。


 電気自動車は滑るように加速していく。


 田端まで40分くらいかかっただろうか、帰り際ちゃっかり夢奈と一斗はお別れのキスをしていた。


 夢奈が出ていったのでうるはが助手席に座る。



 「うるは」


 「ん?」


 「今日の下着かわいかったな」


 「え・・・」顔が真っ赤になる。



 滝野川の高梨家前に着く。


 「挨拶は?」


 「明日来るから」


 「今日はどっちに泊まるの?」


 「今日からは新しい方かな」


 「そっか・・ん」そう言ってうるは目を閉じてキスを催促さいそくする。


 「ん」一斗は軽くキスをすると車を手動で運転して走り去った。



 家に入ると家族はまだ帰ってきていないようだった。


 今のうちにとお風呂に入る。


 ニットのセーターとミニスカートを脱いで下着姿になる。


 一斗にたくさん見せつけた下着。


 ゴーグルを1メートルくらい先に置いてペン型コントローラーでシャッターを押して自撮りする。


 一斗に見せつけた胸も、ショーツも。


 キスしただけでいっちゃうなんて・・・。


 さっきまでキスをしていた一斗の顔を思い出すだけで湿ってきてしまう。


 鏡に体全体を映す。


 お兄ちゃん・・・


 思い出しながらブラをずらしてピンク色のさきっちょが出てくる。


 とがっている。


 指で触ってみるとびりびりする。


 こんなに感じるの?


 なんとなく自撮りの方も続ける。


 敏感になったさきっちょもカメラに撮り続ける。


 カメラに残す行為自体が何かいやらしさを増す。


 下着をつけたまま足を広げて鏡に映す。


 もうショーツがびしょびしょになっている。


 下着の中に手を入れて女の子の部分を触る。


 カメラは録画モードにした。


 この姿をお兄ちゃんに見てほしい。


 お兄ちゃんの男の子に無茶苦茶にされたい。


 なめたり入れたり、だされちゃったり・・・・。


 お兄ちゃんのくちびるだけでいっちゃうのに・・そんなことされたら私壊れちゃうよね・・・。


 ショーツを脱いで下だけ裸になる。ブラはつけたままだ。


 小さな絶頂は何回も迎えていた。


 ゴーグルをつけて一斗の写真をアップで映す。


 「お兄ちゃん」


 大きな絶頂を迎えて体中びくびくとしてその場に倒れ込んでしまった。



 うるはがその後ゆっくりお風呂に入っていると3人が帰ってきたようだ。


 陸翔が元気にお風呂に乱入してくる。


 「陸翔、体冷たい!」


 「寒かったよー」


 陸翔が出るのに合わせて一緒にお風呂を出た。



 父親と母親と4人の食卓はなんとなくぎこちなかった。


 明日一斗が来ることを意識しているのだろうか。


 もし、またお兄ちゃんとお父さんが喧嘩したらどうしよう。


 4人の中ではそれなりに会話もあったがうるははあまり記憶にのこらなかった。




 部屋に上がりゴーグルをつける。


 “お兄ちゃん明日何時に来るの?”うるは


 しばらくすると


 “朝10時くらいには行くよ”一斗


 と返事が来た。


 “寝落ちしたいな”うるは


 “寝落ちかあ・・・いいよ”一斗


 “やった、かけるね”うるは



 「こんばんは、おにいちゃん」


 「こんばんは」


 「吉祥寺だよね?」


 「ああ」


 「布団とかあるの?」


 「それは最初に運んでおいた」


 「よかった」


 「明日は仲間が手伝いに来るからうるはたちはいいからな」


 「え?そうなの?」


 「あまり会わせたくない」


 「そっかあ・・・あ、ねえ」


 「なんだ?」


 「お兄ちゃんと別れてから1人でしちゃった・・・」


 「え?」


 「触ってたの・・・あそことか・・」


 「そうなんだ・・・」


 「また触ってもいい?お兄ちゃんの声聞きながらしたい」


 「ああ・・いいぞ」


 「あ・・気持ちいい・・お兄ちゃん」


 「うるは・・」


 「お兄ちゃんの声聞くだけでとろとろになっちゃうの」


 「そうなんだ・・」


 「なんでそんなに・・あ・・・ああ・・かっこい・ああ・・」


 「うるは?」


 うるはの寝息だけがヘッドフォンから聞こえていた。

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