第49話 ゴールドメール
家に着くと3人はまだ買い物らしい。
遅いと叱られるかと思い涼葉の所から早く帰ってきたのにとちょっと
それと同時に山本が監視しているのだとすれば今この家にうるは1人しかいないことも分かっているかもしれないと怖くなった。
家族はすぐに買い物から帰ってくるかもしれないが家の鍵を2重にかけてうるはは3階の自分の部屋にこもる。
涼葉に通話をかけてみる。
すぐに出てくれた。
「どうしたのうるは?」
「今家に1人だから・・怖くて」
「えー小学生の時のうるはちゃんに戻ったみたいだよ」
「だって山本のこととかあるし」
「あー、私の家の庭から山本の家見れるから、ちょっと見ておいてあげるよ」
「ごめん・・・神様だわ・・ほんとに涼葉」
「今日はアイスも持ってきてくれたからね」
「アイス何個でも追加するよー」
「おけおけ」
「それで、そこから見える?」
「うーん、」そう言ってスマホのカメラをズームで山本の部屋の方に向ける。
「あ・・・大丈夫みたい太ったおじさんがうるはの家の方見てる」
「そうなんだ・・・」うるはは少しほっとしてベッドに崩れ落ちる。
「動きがあったら教えるから・・・ってうるはの家の車見えたよ!!」
「え?ほんと?」
「うん・・もう着くんじゃないかな?」
「ありがと、一回切るね」
「はーい、手のかかるお嬢ちゃん」
1階に下りると丁度玄関をガチャガチャしているところだった。
ドアスコープから外を見て陸翔であることを確認してから玄関を開ける。
陸翔はそのままうるはに飛び込んでくる。
「手も顔も冷たいよー」陸翔に触れたうるはが悲鳴を上げる。
「うるは、そのままお風呂入れてあげて」後ろから母親が声をかける。父親はまだ車の駐車位置を調整しているようだ。
うるはは陸翔とお風呂に入る。
さっきまで1人で怖かったので陸翔の顔を見るだけで安心する。
体を洗って浴槽に2人で入るがいつも以上にうるはが陸翔にくっつく。
陸翔は背中にうるはの胸の感触を感じながら天井から落ちる
お風呂から出ると4人で食卓を囲む。
今日はお出かけということもあってフライドチキンを買ってきてくれていた。
うるははここにお兄ちゃんがいたらどれだけ幸せなんだろうと思った。
そうだったら山本のことも一番にお兄ちゃんに相談していたかもしれない。
フライドチキンとコーラの組み合わせは美味しかった。でも太っちゃうかな?などとうるはは考えながら指についた脂をなめた。
部屋に戻ると「TRUE LOVE 3」の世界にダイブする。
いつもの自宅のスタートポイントだ。
意を決して山本にメールを送ることにする。
それも普通のメールではなくゴールドメールというものだ。
これはプレイヤー間でやりとりする時に使われるもので他のメールにまぎれて読まれなくなるのを防ぐためのもので文字通りゴールド(リアルマネー)がかかる。
<<山本さん、話したいことがありますチャット返信お願いします。高梨うるは>>うらら
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