第46話 朝食
12月13日土曜日
うるはは朝からバイトがあるために6時過ぎには目が覚める。
朝の空気はひんやりと冷たい。
「暖房つけて」ハクにお願いしてエアコンをつける。細かい設定などはハクが判断してくれる。
部屋が温まるまでベッドの中で布団にくるまっている。
するとチャットの着信がある。
“おはよ!うるは”涼葉
”おはよう涼葉”うるは
“バイト終わったら家に来ない?”涼葉
“うん!ちょっと寄ろうかな、話したいこともあるし”うるは
“了解!何時くらいになるの?”涼葉
“うーんと5時までだからその後すぐに行くよ!”うるは
“はーい、お待ちしております”涼葉
チャットをしている間に部屋が暖かくなったのでベッドから出て寝巻から着替える。
上下白の下着になった瞬間に陸翔が入ってくる。
「こら、ちゃんとノックしてから入ってきなさい」そう言いながらもそれほど怒っていない。
「あ、うん」そう言いながらうるはの体から目が離れない。
うるはは陸翔に見られながら着替えを続ける。
ジーンズとパーカーでいいかとクローゼットから取り出す。
うるはが座りながらジーンズを履く姿勢はかなり色っぽいもので陸翔はうるはの下半身とブラを両方見つめている。
「なに?陸翔やらしいよ?」
「あ・・・うん」何となく下を向いてしまう。
「お姉ちゃんの体見ていやらしいこと考えてたの??」
「そ、そんなんじゃないよ」
「そっか」陸翔のさらさらの髪の毛をわしゃわしゃとしてあげる。
一緒に1階のリビングまで下りていく。
もう母親がキッチンに立って準備をしてくれている。
今日はベーコンエッグとバタートーストにサラダだった。
牛乳も置いてある。
食べようかとしていると上から父親の和樹も下りてきた。
そう言えば土曜日かと思う。
うるはは一斗とお父さんが和解して欲しかった。
また一緒に住むことはできなくてもたまにここに遊びに来るくらいの関係にはなって欲しい。
でも、何か父親に兄のことを言うのは
父親は出ていった兄のことを許していないのかもしれない。
当時は殴り合いの喧嘩までしていた記憶がある。
それでもお兄ちゃんと仲直りして欲しかった。ただ、朝食の場では何も言えなかった。
うるはが家を出るところまで陸翔がついて着ていた。
「ストーカーなの?陸翔」
「ん-ん」そう言ってうつむく。
その仕草がかわいいのでほっぺたをぷにぷにしてあげた。
「行ってきます」ダウンジャケットを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます