第65話 Mバーガーにて
「おはよう」クラスのあちこちで挨拶が交わされていく。
うるはも夢奈と結愛に挨拶をする。
来夢にも自然に挨拶できるようになっていた。
「うるは、引っ越しは土曜日に終わらせるって」
「え!夢奈の方に連絡あったの?」
「うん!うるはに伝えておいてだって」
うるはの中に
なんでお兄ちゃんは私じゃなくて夢奈に連絡するの?
そんなもやもやを抱えながら授業に向かう。
一斗は夢奈を意識しているのだろうか?
でも、と思った。
この前来夢と2人きりで会おうとして夢奈を傷つけたしこれでお互い様なのかな。
午前中の授業が終わり昼にはいつもの3人で集まる。
「またうちはのけ者?」結愛が口をとがらす。
「でも結愛は一斗さんのこと知らないでしょ?」
「まあ、そうだけどさ」
「それに土曜日ってどうせサッカーとその後コーチもあるんでしょ?」
「なんで夢奈はそんなことまで知ってるかなあ」結愛はでれでれとしていた。
なんだか夢奈は機嫌が良さそうだ。
それはそうだよなと思う。元ホストのイケメンで性格もいい年上彼氏がいきなりできたら誰だってそうなる。
うるはは複雑な思いだった。
このまま一斗と夢奈がくっついてしまった方が理性ではいいのかもしれない。
来夢はうるはのことを見ていてくれている。来夢以上の高校生なんてどこを探してもいるわけがないスーパーマンみたいな男の子だ。
でも、お兄ちゃんは特別。
無言でお弁当を食べているうるはを見て夢奈がイチゴオレを渡してくれた。
「私のためにさ、優しすぎるよねうるは」
「夢奈・・・」
「うるはの気持ち分かるよ、多分いつも私が考えていることと同じことをうるはが考えているんだよね」
「ねえ、来夢とうるはが結婚して、夢奈が一斗さんと結婚したらみんなきょうだいになっていいんじゃないの?」
『結愛ー』うるはと夢奈の声が重なった。
お昼休み終了直前に来夢からうるは・夢奈・結愛との4人のグループチャットに夜遊びに行ける人―と募集がかかった。
どうやらクラスの男子を他に2人足して6人で遊ばないかということらしい。
2時間くらいならと提案するとじゃあ赤羽駅前で何か食べようとなった。
午後の授業の間も先生の目を盗んではどこに行こうかなどとチャットをしている間に授業は終わり6人は教室で集まる。
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うるはのゴーグルには2人の名前と簡単なプロフィールが表示される。
伊集院は茶髪にしていて見るからにちゃらそうだ。うるははあまり話したことはない。
桐花はお父さんがアメリカ人らしく髪の毛は金髪である。身長差のある伊集院と桐花だがなぜかいつも一緒にいるようだ。
6人は歩いて赤羽駅のMバーガーへ行く。
どうやら6人分の席が確保できるみたいだ。伊集院が席を取ってくれている。
それぞれ注文して1人ずつ会計を済ませる。
席は奥に女子3人が手前に男子3人が座るお見合いのような格好になった。
女子は夢奈・うるは・結愛という順番。男子は来夢・桐花・伊集院という順番で席に着いた。
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