第54話 面接前夜
うるはは浴槽から出て脱衣場に行くとバスタオルで髪と体を拭いて上下水色の下着を着ける。
今・・・けっこう運動?したから減っているかな。
などと思いながら体重計に乗ってみる。
変わらないか・・・
ちょっとしょんぼりしながらドライヤーで髪の毛を乾かす。
すると脱衣場のドアが開いて陸翔がご飯待ってるから早く来なよと
はいはい、と答えて髪の毛は生乾きのまま寝間着を着る。
テーブルには父親と母親と陸翔がいた。
手巻き寿司が今日のメインらしい。
具材はマグロとイカと明太子
サラダも大量に盛り付けられていた。
母親はうるはと父親と陸翔がそれぞれの話題を出せるように話を振る。
うるはと父親は当たり障りのない答えを返す。
4人集まると陸翔が主役になるようなところがあって陸翔の話題を聞いてあげた。
食事が終わるとうるはは3階の自分の部屋に戻る。
ゴーグルをつけてハクを呼び出す。
「ただいま、ハク」
“おかえりなさい、うるは”
「ねえ」
“ん?”
うるはは机に座りながらペン型コントローラーでほほをつついている。
「私さあ、変態なのかなあ」
“うるはは変態じゃないよ”
「え?ほんと?」
“ド変態だよ”
「ハクー」
“あ、ごめんね”
「やだ、許さない」
“うるは、ごめん!”
「まあハクに八つ当たりしてもしょうがないよね」
“悩んでいるの?”
「うーん・・・」
“多分人間って誰にでも人には言えない部分があるんじゃないかな?”
「そうかな?」
“うん、そう思うなあ”
「そっかあ」
時間は夜の8時50分になっていた。
山本からのチャットは日に何通かは着ているがしつこいというほどのものではなかった。
うるはも合間をみては返信している。
山本のチャットは見逃さないように★マークをつけておいた。
“お兄ちゃん明日面接だよね!頑張って♡♡”うるは
たしか一斗は明日の9時から新宿で役員面接のはずだ。
まだ寝ていないだろうがなかなか既読がつかない。
連絡が来るまでにハクがまとめておいてくれた1日のニュースを見る。
特に目に止まるようなニュースはなかった。
うるはが涼葉、夢奈、結愛とそれぞれチャットをしていると一斗からチャットが来た。
“覚えていてくれたんだ!ありがとう!頑張る!!!”一斗
“うん、寝坊したらだめだからね?”うるは
“はいよ”一斗
“起こしてあげようか?”うるは
“あー、頼んでもいいか?”一斗
“うん!何時?”うるは
“そうだな・・・6時半で”一斗
“りょうかいだよ!その時間に電話かけるね”うるは
“ほい、お願いするわ”一斗
“早く寝てね”うるは
“あいよ、おやすみ”一斗
“おやすみなさい”うるは
時間は11時になったばかりでうるはにしてはまだ早かったが一斗にモーニングコールするためにベッドに入った。
「ハク、眠れる音楽と背景もそれっぽいの流して」
“はい、それと明日は何時に目覚ましかける?”
「6時20分に起こして」
“了解だよ”
「おやすみなさい、ハク」
”おやすみ、うるは”
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