第52話 ガールズトーク


 その後3人でクレーンゲームをする。


 それぞれ400円使って大量のお菓子をゲットした。


 うるはのお菓子は紙袋からはみ出ているくらいになっていた。


 ゲームセンターにいるといつの間にか2時過ぎてしまっていたので食事をしようとなる。


 ハンバーガーでもいいかと話していたが少しファミレスの方が空いているかもしれないとそちらへ流れる。



 結愛はパスタ


 夢奈はドリア


 うるははオムライス

 をそれぞれ頼んだ。それにドリンクバーも頼んだので元を取ろうと何杯もお代わりに行く。



 「うるはは誰が好きなの?」アイスコーヒーを飲みながら夢奈がストレートを投げてくる。


 「え、私?」


 「そう、あなた」


 「私かあ」


 「見ていて思うけど、うるはって流されやすいというか一緒にいる人を好きって変わってない?」


 「あ・・・そういうところあるかも」


 「私は来夢だけでいい、来夢がいてくれたらそれでいいんだ・・もし来夢じゃなきゃいやだっていう気持ちがないならさ・・・」


 「夢奈、ちょっといきなりだよ」結愛が間に入る。


 「まあそうだけど、うるははさずるいんだよ、かわいいし優しいし誰からも愛されるからさ・・・・」


 「・・・ごめんね夢奈」


 「ううん・・・おでん美味しかったよ、そりゃあうるはだったら来夢も好きになるよ」


 「そうかなあ」


 「あの後来夢とキスしちゃった」


 『え』うるはと結愛の声が重なる。


 「お風呂でお互いの体を洗いながらディープキスしたの、来夢のあそこすごい大きくなってた」


 「そのまま最後までしたの?」結愛が勢いよく聞く。


 「ううん・・・したかったけどなぁ」



 うるははなんとなくほっとした。



 「私たちのことはいいけど結愛はどうなの?」うるはが炭酸ジュースを飲みながら聞く。


 「うちかあ・・・」


 「うんうん」


 「うちは・・・コーチと・・・」


 「え?コーチ??何歳なの??」


 「30ちょっとだったかなあ・・・多分奥さんもいると思う」


 「えーー既婚者??ほんとに?」


 「うん・・・でも、割り切っているというか奥さんから略奪したいとか思ってないからね」


 「どうなの?年上って」うるはが興味深く聞く。


 「大人かなあ・・・私初めての彼氏中2だったからそれと比べると全然違う」


 「そうなんだ?」


 「うん・・・めっちゃきもちいいし」


 「わおーそうなんだ?」


 「なんかね、丁寧っていうか首筋なめてくれたり、体の全部なめてくれるんだ、それでうちがとろとろになった後にいれてくれるの」


 うるはも夢奈もぼーっと聞くしかなかった。




 4時過ぎになったので場所を移してボウリング場に行く。


 受付を済ませるとレーンの番号を告げられる。


 ボールの重さは一番軽いやつを選んだ。


 ここでも結愛は投げ方からしても素人っぽくない。


 スコーンと音がしてストライクを連発していく。


 夢奈とうるははまあ同じような成績だった。


 1ゲームやって結愛が210 うるはが120 夢奈が115だった。


 そこで2ゲーム目はハンデ戦をやろうということになった。


 ハンデは90 うるはと夢奈は90ポイント差をつけられなければ勝ちということになる。


 うるはと夢奈の間はハンデなしとなった。


 3人でエナジードリンクを一本買って優勝者がそれを飲むことになった。


 3人とも目つきが1ゲーム目とは違う。


 かなり本気モードになっていた。


 序盤はうるはにストライクが何回か出てリードしていく。夢奈はスペアで点数を稼ぎ少しずつ点数を詰めていく。


 結愛も調子よくストライクを出していくが90ポイントのハンデを考えるとリードしているか分からない状況だった。


 最終的に結愛227 うるは171 夢奈159 となりうるはが優勝だった。


 勝利のエナジードリンクを飲みながらピースをして写真を撮ってもらう。



 帰り道3人は渋谷駅まで行き、結愛は湘南新宿ラインに乗るとのことで別れ、うるはと夢奈は山手線で新宿池袋方面に乗る。


 「うるはは一斗さんと会っているんでしょ?」


 「うん・・・」



 山手線は平日ほど混んでいなかった。


 「私はうるはとは違う考え方だからさ・・・なんとなくずるく感じるな」


 「そうかもね・・・」


 「でもさ、うるはは優しいから好き」


 「ありがとうね、夢奈」


 「また遊びに来てよ、来夢あげるから」


 「うん・・・」



 うるはは巣鴨駅で降りて、夢奈はそのまま田端まで乗車だった。


 巣鴨駅で都営三田線に乗り換え西巣鴨まで一駅乗って降りる。



 改札を出るともう真っ暗になっていた。


 駅からの帰り道山本の家の方を見るがもう山本の姿はない。



 「ただいまー」


 うるはは7時丁度に家に着いた。

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