第2話 転生場所は安全に頼みたい

転生は有難いんだけど…だからって、森の中に一人で放置しないでくれます?!!


八つ当たりする人間すら見つからず適当に自分で乗り突込みをしてみるが、何の解決にもならない。


登山が趣味だったお母さん、迷子の時の処置を教えてくれてありがとう。

そしてキャンプ大好きだったお父さん、私に火のつけ方教えてくれてありがとう。

従兄の兄ちゃんたち、魚の取り方を教えてくれたとき野蛮人といって悪かった。


今日そのおかげでパニックになってない。


転生というだけあって、子供になっているらしく小さな手に余る薪を抱えながら川の近くの洞窟を目指す。

洞窟に何かいるかもしれないと用心したが、特にそういったこともなく使えそうだった。

とりあえずの拠点を洞窟として、周りを探検して落ちてたものを拾い集めてみた。



「さて、これからどうしますか」



長い棒にツタを巻き付けて、重石代わりにつけた石に、ミミズを巻き付けて川に投げ込んでから拾ってきた物を眺めてみた。


革の袋(某ゲームにでてきそうなアイテム袋みたいなやつだ)、薪、石、ミミズみたいな虫、小さなナイフが4本

革の袋の中には女性向けのケープ、ライターのような赤い機械、青い液体が入った小瓶と緑の液体が入った小瓶が入っていた。


持ち主にあったら返そうとは思うが、水辺は寒い、ケープは有難く拝借させてもらった。



「途中に所謂魔物みたいなやつらいたからあまりウロウロしたくないんだけど、かといって山に籠って生き延びられる気がしない…」



ぴんとツタが張った。


魚が来た!


川を見下ろすと大きな魚影が一生懸命に私のツタを引っ張っている。

細長い木にツタでナイフを括り付けた即席の槍で魚を突くと、意外と一撃でできた。

転生補正かもしれない。

あのOLっぽい見習い神様が死んだら仕事が増えると苛立っていたことを思い返せば、何点かは補正が入っていそうだ。


こんなとこに放置されて、普通の子供だったら死んじゃうもんね。


転生補正様サマ!


ちょっとだけ親近感のわくあの神様見習いに感謝を抱いてから魚を焼き始めた。


探検したときに道はあったから人が入らない山ってことはないだろうけど、ちょっと歩いた限り、人気はなかったし、人だけでなく家も、街や村も見えなかった。

逆に謎のぷよぷよのジェル状の生物を発見したことから、転生したのはいいものの、日本どころか世界が違うところに飛ばされてる気がする。

私の方に飛んで来ようとぷるぷるしていたため、足元にあった石を投げつけて一目散に逃げてきた。

魔物なら子どもの腕力で倒せないかもしれないと思って、全速力で逃げてきた。


死んだら困るもんね。

過労死しておいていうのもあれだけど。


そうだ!


「ステータス!」


大概のゲームではこういったことをいうと目の前にウィンドウが出てきて、自分の状態を教えてくれたりするじゃないか。

あの青いジェル状の魔物がいるということはありえる。


『名前 カコ 種族 デミヒューマン

 Lv.2

 HP:70  MP:0

 力 :50  魔力:0

 物理防御:27 魔法防御:20

 すばやさ:36 幸運  :10

 スキル : 打撃 lv1 剣術 lv1 投てき lv2

 個性  : 物理的解決 

 称号  : 仕事を増やさない仕事人見習い

       みんなに感謝できるひと (New)』


希望通りにウィンドウのような半透明の説明書きが出てきて、喜んだのもつかの間だった。


なにこのステ振り間違えた結果みたいなステータス。


この世界の標準がわからない私ですらわかる。

この偏り方はひどい。

物理にステータス振りすぎでしょ。

MPや魔力があるということは魔法があるかもしれない世界で、どうして物理に全部ステータス渡したのよ。


魚を一撃できて当然かもしれない。

これだけ偏ってステータス振ってて、魚すら捕まえられなかったら保護者なしに生きていけない。


でも、魔法学校を夢見るぐらいには私、魔法に夢を持っているんですが…


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