第8話 新たなおともだち
「俺たちの養父がギルド長なんだ、あの人には恩がある」
「なるほど」
「だから俺たちは早く強くなりたいんだ」
シモンからの言葉を聞いて凄く納得した。
シモンとマリカの保護者、養父らしいが、彼がギルドの長であるためシモンとマリカがギルド内で親しまれていたみたいだ。
2人が10歳のときにギルド長に拾われてから昨日冒険者デビューするまで約10年もギルドの建物内でお手伝いしていた2人が人気なのは当然のことともいえる。
今のところの食い扶持が冒険者しかない私が案内を頼むのにこれ以上ないいい人選だった。
薬問屋の主人と値段交渉をするマリカを見やりながらシモンは教えてくれた。
「あっちが乾燥肉屋、長期の任務に行く前には必ずお世話になる。隣が弁当屋。装備品を買うなら広場を挟んで向こうの通り。それと宿はこの通りの奥にある」
「そっか、宿とらなきゃ」
「冒険者向けの宿が多いからなんとかなる。駆け出し冒険者にオススメしているのは星の夜亭」
「へぇ」
平屋もしくは二階建てだからおなじみのビジネスホテルみたいな宿ではないと信じている。
さっきの区役所が外観お寺で、システムが現代だったためにちょっとした疑いを持っている。
「説明は終わりました?」
「あぁ、ばっちり」
「んー。ご飯食べて宿をとりたいな。お腹すいちゃった」
「それなら星の夜亭で部屋を取って、そこでご飯食べよう」
「いいですわね、星の夜亭のスープが絶品なのよ」
ご飯が美味しくないとやっていけない。
社畜やってたころからご飯だけが人生唯一の楽しみだった。
あれだけはどんなに上司が酷くても必ず食べてた。コンビニ弁当は美味しいし、カップラーメンは親友だ。
これからは乾燥肉とその星の夜亭のスープが友達になりそうだ。
宿もまたお寺のような出で立ちの宿に囲炉裏のある食堂、とても親しみやすくてなによりだ。
部屋に案内されてみたら布団と荷物入れの木箱が置いてあり、鍵がつくようになっている。
これで私物管理するみたいだ。
シンプルな部屋だ。
でも、私の一人暮らしの宿には十分だ。
これで銀貨1枚なのは高いのか安いのか、私にはよくわからない。
『名前 カコ 種族 デミヒューマン
Lv.14
HP:152 MP:0
力 :112 魔力:0
物理防御:52 魔法防御:28
すばやさ:49 幸運 :13
スキル : 打撃 lv2 剣術 lv1 投てき lv10 槍術lv3 のぞき見 lv2
個性 : 物理的解決
称号 : 仕事を増やさない仕事人見習い
みんなに感謝できるひと
文化的最低限度の探求者』
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